KinesisAdvantage1(USB接続)のキースイッチをピンク軸(静音赤軸)に交換してBluetooth化してみる

2023/10/10

フルリモートワークxKinesisの悩み

長年愛用している私のKINESIS Advantageのキースイッチは「茶軸」なので、まあ、カチャカチャと、結構大きいタイピング音がします。

発売当時は、1番人気があったんでしょうか。他にもいろいろな軸がある中で、うちにあるKINESISは2台とも茶軸です。

これが在宅勤務中や夜のタイピング時に家族から不評ということでそのうち何とかしたいなあ、と思っていました。

最近、LFとかいう赤軸静音(ピンク軸)のキースイッチのモデルが出たようですが50,000円とかするので、ポンとは買えません。

自力で改造してみることに

そこで、以前から自作キーボード界ではよく聞くキースイッチの交換にトライしてみることにしました。

結局、最終的に25,000円くらいかかってしまったのですが、色々いい経験を買いました。

部品の調達

まずはやはり調達前の情報収集。結構、すでに交換している人がいるようなので、とても参考になります。

Kinesis Advantage: Cherry MX RedとBlue switch (赤軸化、青軸化) – すりこぎDIARY

Kinesisのキースイッチを交換した話 – Qiita

キースイッチ(CHERRY MX SILENT RED)

何はなくとも新しいスイッチが必要です。

今回は、赤軸静音(ピンク軸)へ交換と決めていたので、探したところここが1番安いようでした。

CHERRY MX SILENT REDスイッチ 50個セット 購入ページ | ダイヤテック株式会社

50個で3,500円です。

KINESISはファンクションキー(ゴムのところ)を除くと68キーあるので、50個セット+10個セットx2で合計70個を注文します。

ダイオード(Fairchild 1N4148)

次はこちら。オリジナルのキーにはダイオードが仕込まれており、同じ動作をさせるために、スイッチと同じ68本必要です。

汎用小信号高速スイッチング・ダイオード 1N4148TR (100本)

ヤフオクで見つけて、300円+送料84円でした。

Bluetooth化キット

これはたまたまtwitterのフォロワーさんに教えていただいたのですが、海外でBlutTooth化するボードを作成している方がいらっしゃるようです。

Kinesis Advantage Bluetooth Controller 画像 0

Kinesis Advantage Bluetooth Controller | Etsy

13,793円(送料無料)でした。初めて使う海外ECサイトでちょっと不安でしたが、無事に届きました。

(余談)注文した翌日メッセージが来ていて、何かなと思ったら

⇒入力された住所が無効になっていて発送できないらしい

確かに、注文時の住所の入力フォームが日本語になっていて珍しいな、と思いつつ(都道県のところが「Kanagawa-ken」とかしたくても、「神奈川県」と2バイト文字しか選べない)ちょっと不安だったのですが、案の定、トラブっているようなので、チャット欄に英字の住所をやりとりして発送してもらい事なきを得ました。

はるばる太平洋を超えてやってきます。

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Bluetooth化にあたって必要な他のパーツ類

BT化にあたって他にも必要なパーツがいくつかあるようです。

https://github.com/wizarddata/Blue-Wizard-Mod/blob/master/README.md

1.電源用スイッチ

1.Latching/Toggle/Rocker panel mount switch for power, or bridge J14 pins for always on.

とりあえず、常時ONでよければ、基板上の14番ジャンパーをショートすれば良いようです。

今回は懐かしき、AT時代(ATXではだめ)の電源スイッチをとりあえずつなぎました。

2.USB-C延長ケーブル&パネル

2.USB-C panel mount extension.

Amazonだと入手できないようだったので、特に急がないのでAliexpressを利用してみました。

2週間弱で到着。769円。

長さもバッチリでいい感じです。

3.リセットボタン

3.Momentary panel mount switch for reset (optional, reset switch is onboard).

今のところ、なくても問題なさそうだったので、今回の実装ではパスしました。

4.Bluetooth駆動用バッテリー

4.LiPo battery.

これとおなじ物が日本のAmazonで買えたのでさくっと注文。

ピンク軸キースイッチ化改造編

それでは、実際に改造していきます。まずはキースイッチの交換から取り掛かりました。

キートップの取り外し

キートップは引っ張れば取れるのですが、専用の付属工具で外すと早いです。せっかくなので、この機会に洗濯ネットに入れて洗濯しました。
左右それぞれを別のネットにいれておくと、後で付ける時に少し楽です。使い込みすぎてキートップの文字がはがれてきててちょっと困りました)

キーボードケースの分解

一般的なドライバー背面の長めのネジを6本外していきます。ケースの上面と下面がケーブルで繋がっているので注意して外します。

手のひらの部分と親指の部分で、パーツが分かれています。

それぞれネジで止まっているだけですので、はずしていきます。

4箇所のフラットケーブルは、白いコネクタの上部を上にスライドすると抜ける仕組みになっています。

結構、硬いのでフラットケーブルを無理に引っ張ったりして破損しないように注意が必要です。

キースイッチの取り外し

キースイッチは基板に当然ハンダ付けされています。かなりの数があるので今回は、電動半田吸い取り機を使ってみました。

追いハンダをしつつシュポシュポ吸っていきます。すぐに詰まってしまうのが玉にキズですが、かなりスピーディに作業できました。

温度があまり高いとランドを剥がしてしまうので、そこも要注意です。それでも取れないところはハンダ吸い取り線で作業しました。

そして、ハンダを吸い取っても基板がホットボンドで接着されている(写真↓の黄色い部分)ので、そこは壊さない絶妙の力加減ではがし取ります。

ホットボンドが全部キレイに取れませんでしたが、まあ良いかな。。

親指部分のスイッチは他のところよりも取れにくかったですが、焦らずに粘り強く作業します。

ダイオードとキースイッチの取り付け

キースイッチが全部はずせたら、フラックスクリーナーで基板をきれいにしてからスイッチとダイオードの取り付けです。

ダイオードは取り付ける向きが決まっているので注意します。逆につけたことが後か分かると悲惨です。

ダイオード取り付け完了

スイッチ取り付け完了

ボンドを使わなくても、うまくはんだ付けのみでも固定できるようでした。

剥がれたランド部分の補修

気づいたらランドの一部が剥がれてました。「なんともろい◎◎じゃ~」。

テスターでチェックしながらリード線でジャンパーします。

見事に剥がれています。

ジャンパー線!まあ、大丈夫でしょう。

トラブル発生

ここで仮り組みして動作テストすると一部のキーが反応しません

スイッチかダイオードのハンダ不良かな?と思ってよく見たらグレーのフレキケーブルが折れてました。

「なんともろい(略)」

金属疲労でしょうか・・・。修復を試みましたが簡単にいかなかったので、根本的に別手段として、Bluetooth化基板にして解決することにしました。

(なので、最初からBT化するつもりではなかったという)

KINESIS Bluetooth化改造編

対応基板を注文からおよそ2週間ちょっとで到着しました。

中身は基板とコネクタ8個のみで、説明書なしの漢(おとこ)仕様です。

早速、不要になるUSB接続用の基板をはずしていきます。

次に、親指用の基板はリード線でつなぐため、元のハンダを除去していきます。

4箇所は元と同じフラットケーブルをつなぐので、白いコネクタをはんだ付けします(2つはL字型の親指用のものなので、間違えないようにします)

このフラットケーブルが手持ちにあれば、ここもコネクタ化できそうですが、今回はリード線にしました。

この段階で一旦仮組みして、動作テスのためにUSB-Cで給電してみました。Windows10でBluetoothキーボードデバイスとして認識しているようです。

基板は動作正常のようです(この時点では)

F1キーを押すとF2キーになるハードバグ

F1キーを押すと、F2キーと判定されていました。既知のバグのようです。

写真の箇所に10KΩの抵抗をつなぐと直るらしく、手持ちにあった6KΩの抵抗でとりあえず代用してみましたが、今の所良さそうです。

最後に、親指部分のリード線をつないでいきます。先日、秋葉原の千石電商で買ったワイヤーストリッパーがとても役立ちました。

バッテリーの取り付け

つねにUSB-Cで給電しても使えるのですが、せっかく無線になったのでバッテリー駆動にしたいですよね。

プラスとマイナスだけ気をつけてバッテリーも接続。ついでに関係ないかもだけどGithubにあったジャンパー線をもう1つ追加。

バッテリーは両面テープで適当に固定しました。

キートップ取り付け

こういうとき、KINESISがもう1台あって便利でした。

第1次接続試験

さて、完成したし、早速使うぞ~。

またもトラブル発生

あれれ?入力してると、「あいうえええええええええ」みたいにいきなりキーリピートされたりキーが効かなくなったりする?なんでや~。

さらに、1つのキーしか押してないのに2つのキーが出てしまったりする・・・。

Bluetoothが不安定なのはPC側に問題があるかと思い、Bluetooth接続のマウスを切断したり、PCが悪いのかと思い、スマホに接続してみたりしても改善せず・・・。

「も、もう、だめだ~」

数時間苦戦したあげくに、制作者にダメ元で泣きついてみたところ

「基板に問題あるようだから、全額返金か新品を無償で再送するけど?(意訳)」

まじか~。初期不良なのか~

というわけで、交換基板の到着を待つことに。

第2次接続試験(交換基板編)

また2週間くらいで到着しました。今度はどうかな~。。。

中々この基板を2つもってる人はいないでしょう・・・。

つないだ基板やバッテリー、スイッチを付け替えていきます。

USB-Cの延長コネクタも届いたのでケースに取り付けました。プラスチックのナットで固定できていい感じです。

完成

恐る恐る動作テストしてみたところ、前回の動作不良が嘘のようにキビキビ動きます!

高速にタイピングしても取りこぼすことも無いですし、これは、一度使ったらやめられないかもしれませんね。

Windows10でバッテリーの残量も表示されています。

しばらく電源ONのままで何日間くらい充電なしで使えるかテストしたらまたレポートを追記したいと思います。

追記

バッテリーですが、2週間くらい使って充電が切れたようなので、まあまあ実用には耐える感じですしょうか。

また、マクロやクリック音などのキーボードでできた設定は、すべてできなくなるので、そのあたりをヘビーに使っているとちょっと困るかもしれません(わたしはそこまで活用してなかったので問題ありませんでした)

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