KONAMI社のX68000用ゲームのMIDI音源バージョンを収録したという「MIDI Power」というCDについてご紹介します。
X68000版ゲームのMIDIアレンジが出発点だった「MIDI POWER」
そんな「悪魔城ドラキュラ」以外にも、X68000には「グラディウスII」や「出たな!ツインビー」「パロディウス」などのゲームソフトがMIDI再生に対応しているのですが、それらを収録したCDが1992年に発売されました。
それがこちらの「MIDI POWER」です。
より詳しくは「MIDI POWER」シリーズが5枚、「MIDI POWER Pro」シリーズが7枚というラインナップです。
特に珍しいというか変わっているのは、Proの方には3.5インチフロッピーディスクが付属し、CDに入っている楽曲のMIDIデータ(標準MIDIファイル形式)が収録されているところでした。
また、MIDI POWERにはX68000では未発売の「グラディウスIII」「XEXEX」「サンダークロス」などのMIDIアレンジが収録されており、「もしや68版がこれから発売されるのか?」と期待しましたが、結局、発売されませんでした。
技術的にXEXEXやグラIIIは難しくてもサンダークロスくらいは出してほしかった
改めて「MIDI POWER」シリーズを集めてみる
せっかくなので、オークションや駿河屋さんをフル活用してコレクションし直してみました。
MIDI Powerの方はある程度はすぐに集まるのですが、MIDI POWER Pro6が中々見つからず苦戦しました。
最後の鬼門だった、MIDI POWER Pro6はこのあたりが底値と判断して、ヤフーオークションのSundayくじ(10%オフ)を利用してコンプリートしました。
90年代のパソコン野郎の多くは、DTMの名のものにMIDI音源をPCにつないでゲームミュージックを聞くというのはわりと当たり前で、中でもアーケードゲームのMIDIアレンジを鳴らして聞くのは通でした。
MIDI Power Proは、付属フロッピーディスクなしの場合もあるので、間違えて落札しないように注意が必要です。
一度間違えてFDなしで落札してしまいました...
なぜかPro6の帯だけ黒いのと、Pro6からKONAMIのロゴが斜めからまっすぐになってます。なにかあったのでしょうか。
MIDI Powerシリーズはどれもオススメで甲乙つけがたいです。
沙羅曼蛇ポータブルでも聞ける
プレイステーションポータブル用のゲーム「沙羅曼蛇ポータブル」の中のミュージックギャラリーでなんと「MIDI版」という項目があり、MIDI Power Pro5「沙羅曼蛇」に収録された楽曲が聞けるので、興味がある方はぜひともゲットして聞いてみてほしいです。
沙羅曼蛇ポータブルもBest版含めてプレミアがついてる
リアルタイムでMIDI Power Pro2以降も買えばよかった
Proシリーズの付属フロッピーディスクにはてっきりCDに収録された曲のデータが全部入っていると思い込んでいたので、全曲のうちの数曲しか入っておらず、それに落胆したのかそれ以降のProは購入していませんでした。
リアルタイムでPro1を購入した1995年、私は大学4年生でした。「収録曲のMIDIデータ(SMF)のFDが付録でついてくる」ということで、MIDIにハマっていた私は狂喜乱舞してCD屋にいって購入し、帰ってきてからFDをのぞいてみてビックリ。
しかし、今あらためて集めてみると、Pro5の沙羅曼蛇やPro7のGRADIUSは聴き応えがあり、この当時の取り組みは非常に意義のあるものだったと思うとたいへん感慨深いです。このCDを聞いてパソコンとMIDI環境を揃えた人もいたかもしれませんね。
時間が経てば価値観も変わるもの
X68000Zの汎用エミュレータにMIDIボード再現機能が実装
X68000+MIDI関連のニュースと言えば、ミニチュアX68000こと「X68000Z」が着実にバージョンアップしており、いよいよ2024年9月に専用エミュレータのゲーム以外に汎用エミュレータでのMIDIに対応をしたようです。
我が家のX68000Zも遅ればせながら必要なパーツをBOOTHで注文し、無事に「悪魔城ドラキュラ」のMIDIバージョンの再生ができるようになりました。
着実に実機に近づきつつあるX68000Z
まとめ
X68000+MIDI音源というニッチな再生環境を市販化したという意味では大変貴重なCD音源でしょう。
KONAMIファンでもそうでなくてもゲームミュージックファンにはぜひ聞いて欲しいシリーズです。
こちらは昔に作られた作曲者のサイトのようですが、CDに収録された曲がいくつか再生できるのは貴重です。