一番小さいGS音源は何か
Rolandの人気MIDI音源「SC-55」も十分コンパクトですが、こちらの「SCP-55」はPCカードタイプのGS音源で、当時のノートパソコンに挿して使える素敵なデバイスでした。

利用するのにはSC-55、SC-88を集めていったら、たまたまMIDI音源の情報サイトにこんなGS音源を発見!

ポータブルシーケンサー「PMA-5」
「PMA-5」ふーん、、ポータブルシーケンサーかあ。。。
面白そうだなあ。YAMAHAでいうところのQYシリーズみたいな感じなのかな?
GS音源ということで、これならお外で、SIONIIとかを録音したり、鳴らしたりできるのかな?
なにはともあれ、とりあえず、ネットの海を探してみることに。
いつものヤフオクをウォッチ
ガラス?透明部分が割れていたり、液晶が薄くて見えなくなっていたり微妙なんだけど5,000円くらいが相場だったところ、送料込みで4,000円を切りそうなのを発見。

Roland PMA-5 シーケンサー 通電確認のみ 現状品
これ以上なく危険なキーワード「通電確認のみ」ゴクリ・・・とりあえず落札・・・。
まあ、いつものことながら、コレが間違いの始まりだったわけですが・・・
到着したけどペンに反応しない
とりあえず電源を入れると「▼Calibration▲」みたいなのが出て、付属のペンが反応しない・・・。

どこか故障してるんだろうな、、、ということで、まずはコンデンサー交換に挑戦します。
メンテナンス
分解自体はそんなに難しくはないです。まずは手帳ケースに大きいマイナスネジ2本で止まっているのではずします。

背面のネジをはずすと裏蓋があきます。電池ケースの中にもネジが1本止まってのではずします。

黒いシールド板のネジを6本はずします。

基板は3枚あって、「液晶表示用基板」「電池とコネクタがついてる基板」、その下に「音源用基板」です。
ちなみに液晶用基板にはコンデンサーはありません。
基板をはずすには、白いコネクタの部分のアタマのところを、フレキケーブルの方へひっぱると、フレキケーブルが抜けます。
フレキケーブルを引っ張ってはいけません。
音源用基板

ここはなぜか表面実装コンデンサーで、お約束の電解液が漏れてますが、今回はSC-88のような被害はなさそうでした。
コンデンサー交換
コネクタ用基板

全部で18個ですべてラジアルリードタイプ。両極性が1つあったりするので要注意です。
電池ユニットにつながっているところの330μFを写真のように普通につけるとフタが閉まらないので、足を曲げて横向きに付ける必要があります(最初やらかした)。
耐圧 | 容量 | 備考 | |
電源供給部分 | 16V | 330μF | 赤黒コードと一緒にハンダ。横向きに。 |
C14,C20 | 16V | 470μF | 25V品で代用 |
C24 | 10V | 220μF | 16V品で代用 |
C13 | 6.3V | 100μF | 16V品で代用 |
C6,C7 | 16V | 47μF | |
C21,C22 | 6.3V | 47μF | 16V品で代用 |
C1,C2,C3,C8,C9,C17,C18 | 16V | 10μF | |
C5 | 50V | 1μF | |
C4 | 16V | 10μF | BP |
音源用基板
耐圧 | 容量 | 備考 | |
C105、C108、C115、C117 | 6.3V | 100μF | 表面実装⇒ラジアルリードタイプの16Vタイプへ変更 |

およその位置合わせと高さを確認してからとりつけていきます。背の高さがあるものだと、フタがしまらないようです。
電池交換
CR2032にちょっと青錆が浮いていました。他のSC-55系と異なり、電池が接着されているのでハンダごとはずし、新たに電池ホルダーを取り付けます。

液晶部分の清掃
コンデンサーを交換しても症状は改善しませんでした。
タッチペンが効かないので、液晶部分を分解してみましたが、原因はわかりません。
黒いプラスチックの爪を6箇所押してはずすと、液晶部分がはずれます。

液晶をフレキケーブルで繋いでるコネクタが怪しい色をしていたのでつけ直してみましたが、改善しませんでした。

このケーブルが断線している可能性もあるらしいのですがカッターで表面を削って導通を確認しましたが、通電していました。
もっと深い部分が故障したとするとちょっと手に負えない感じです。

結局直せないのでニコイチにした
どこが悪いのかを切り分け調査する意味でも、もう1台調達(涙)

スワップして調査するも、やはり基板ではなく、タッチパネル部分?が反応しないみたい。
せっかく基板部分はメンテしたので、それを移植してひとまず完成。
正常なときは起動時にRoland♪みたいなのが出るようです。

電池が切れてリセットされたときは、最初にCalibrationが表示され、画面の右上と左下(EXITの左下。MIXの左上をタッチすると、NGでTry againとなる)をタッチすると、初期設定完了。
100均の2個で100円のボタン電池にしたら、新品のはずなのにBattery Lowって出るので、安物だとだめなのかも。

結果、高くついた気もするけど、マニュアルも手に入ったし、仕組みも分かったし、よしとしよう。
いつか、タッチ以外が死んでるPMA-5が手に入ったらまたニコイチにしたいな。
再生テスト
そのままつないでMIDIデータ送信するだけではちゃんと再生されません。
右上の「MIDI」を押して「⇒」を押していくと、「GM/GS Mode」というのがあるので、ここで、ENTERをすると、正しく演奏されるようです。
まったく鳴らないときは慌てずに、PCとの接続方法を選択するスイッチが上にあるので、それも忘れず確認しましょう。

単3電池6本でも駆動するようなので、いつか外で使ってみたいですね。