MIDI

サウンドキャンバスを染めるミュージックシーケンサー【Roland SB-55】とは何か?

この記事のポイント

  • SB-55という商品名から、どうして「SC-55」という商品名だったかがわかる
  • SB-55の入手方法についてわかる
  • SB-55のメンテナンスについてわかる
  • SB-55の基本的な操作方法についてわかる

GS音源が好きすぎて「GS」マークの付いているMIDI音源を買い集めまくってきました。

その始祖である「SC-55」のはSCとは、「SoundCanvas」の略であることは知っていたのですが、どうして「サウンドキャンバス」なのか?は考えたことがありませんでした。

キャンバスにはブラシで絵を描くもの

キャンバスだけがあっても絵画は完成しません。絵筆や絵の具が必要になります。

なんと...

SC-55を使って自動演奏させるためのシーケンサー「SB-55(サウンドブラッシュ)」がSC-55と同時発売されていたのでした

えくしび
えくしび

ブラッシュがブラシのことなの...?

2DDのフロッピーディスクにスタンダードMIDIファイルを入れて挿入すると次々にファイルを自動演奏してくれるようです。

SC-55(79,000円)とあわせると定価で10万円は超えていたので、中々高価な自動演奏マシンでした。

えくしび
えくしび

子どもにはとても買えない

SB-55の後継機種は?

ところでちょっと脱線して、その後、SB-55の後継機種はどうなったのでしょうか。

この後に発売された「SD-35」などでは、シーケンサー機能+GS音源という1台で使用できるものになったのに対して、SB-55はシーケンサー機能のみというところで、PC9801などのパソコンを利用したDTMの普及により、SB-55の後継機は発売されなかったのかも知れません。

それでもパソコンを利用せずにバンドなどの現場では活躍していたのかも知れませんね。

いつものヤフーオークション

SB-55を知ってから1年くらいヤフーオークションをウォッチしていたのですが、SC-55と比べると数が少なく運良く見かけても競り負けが続いており、ある日、覚悟を決めて高値でつっこみました。

大幅に予算オーバーしてしまいましたが、好奇心には抗えず思わず確保です。

メルカリも並行して見ていましたが入手は難しそうでした。

付属していたアダプターは使えず、SC-55などと同じく、センターマイナスのDC9Vのアダプターで駆動させます。

こういうのが1つあると便利です。

今回はフロッピーディスクドライブというモーター駆動系なのですが、果たしてうまく動くでしょうか?

今回は電解コンデンサーの交換のみのメンテナンスメニューです。

分解

SC-55とまったく同じように天板がネジ止めされているだけです。

SC-55と大きく異なるのは大きなシールド板に覆われているところと、この下にメイン基板が天地逆さまに取り付けられているところでしょうか。

写真右のFDDコネクタと、右下の茶色のコネクタを慎重に取り外すと裏返すことができますので、この状態でメイン基板をメンテナンスします。

背面部分のサブ基板にもコンデンサーがあるのでネジをはずして基板が取り出してメンテナンスします。

電解コンデンサーの除去

表面実装コンデンサーを少しずつ破壊しながらとりはずしていきます。もしくはハンダごてを2本使って両端を温めるやり方がオススメです。

いつものマイ工具で進めます。

電解コンデンサーの取り付け

電解コンデンサーの数は少ないのですが、表面実装品のところはすべてラジアルリード品に交換しました。

耐圧容量備考
C20516V2200μF85度品
C7,C24,C25,C208,C20916V47μF表面実装品

ランドやパターンが剥がれてしまったところは、電解コンデンサーの足を利用して接続しソルダーレジストを塗りました。

狭いところのハンダ付けはこてがコネクタ等に触れないように注意しましょう。

取り付け終わったら分解の逆の手順で元通りに戻します。

再生メディア(2DDフロッピーディスク)の準備

そもそもフロッピーディスク自体が世の中から少なくなってきていますが、今回必要になるのは一般的な「2HD」よりも記録容量の小さい「2DD」と呼ばれるものです。(2HDは、1.2MB or 1.44MB、2DDは、640KB or 720KB)

ワープロなどでよく使われていたようです。

持っていなかったので今回はメルカリで探しました。1枚100円くらいなら良かったのですが中々難しいようです。

WindowsにUSB接続の3.5インチFDDをつないで適当にネットで見つけたクラシック曲の標準MIDIファイルを書き込みます。

ファイルを書き込む際には大文字で「8文字+拡張子3文字」になるようにしましょう。そうなっていない場合、読み込めない可能性があります。

再生不可(No Play)の状態だとこういう表示がでます。

操作用マニュアル

Rolandはありがたいことに古い機械のマニュアルもアーカイブしておいてくれいてるので大変助かります。

SB-55_j.pdf

えくしび
えくしび

よくわからないメッセージもこれがあればOK

MIDI Power Pro

そういえばMIDIデータの入ったフロッピーディスクが付属しているという世にも珍しいゲームミュージックのCDを所持していることを思い出してテストしてみました。

正常に「出たな!ツインビー」が再生されました。

当時もしもX68000を持っていなかったらこういう形で最初に耳にしていたかもしれませんね。

入手したことをXにポストしたのですが「スーパーマーケットの店内BGM用でまだ現役で使ってる所がありますね~自分がセッティングしたお店ではFUSIONやJ-POPのデータが入ってました」というリプライがついて驚きました。

メモリやキャッシュといった概念が無いのか、データを再生中はずっと「ガーガー」ドライブを読み込み続けているため連続稼働し続けるとフロッピーディスクかドライブかどちらかがダメになるかもしれません。

まとめ

  • パソコンを起動させずにMIDI音源の動作チェックができるのは便利
  • 連続稼働させるような使い方には向いていない
  • 3.5インチ2DDのフロッピーディスクの入手が難しい
  • どんな環境でSB-55が活躍していたのか思いを馳せるのは良い

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