Roland SC-55/SC-155/SC-55mkII/SC-88ST/SC-7をこれからも使えるようにメンテナンス(コンデンサー交換、タクトスイッチ交換、ボタン電池交換)

2022/01/23

レトロMIDI音源のメンテナンス

レトロPCといえば、レトロMIDI音源。

レトロMIDI音源といえば、Roland社の「LA音源のMT-32(CM-64)系」と「GS音源のSC-55系」あたりが有名でしょうか。

レトロPC同様に長く使っていけるようにメンテナンスしていきます。

Roland SC-88Proの修理:電解コンデンサ交換 | ごはんたべよ : 修理に当たって、こちらのブログを参考にさせていただきました。

今回メンテナンスするのはこちらの音源

今回はヤフオクやジモティーで入手していた、Roland社のGS音源「SC-55」と完全互換の「SC-155」と、SC-55の一部をパワーアップしている「SC-55mkII」。さらに「SC-88ST」をメンテナンスします。

コンデンサの数が若干異なりますが、基本的な構成はほぼ同じなため、メンテナンス手順も近いと思いあわせてメンテナンスしていきます。

ローランド・SCシリーズ – Wikipedia :SC-155は1992年、SC-55mkIIは1993年発売(当時、このタイミングで購入しました)

追記:その後、初代SC-55も入手してメンテしました。さらにSC-88ST、SC-7もメンテして、追記しました。

部品の調達

まずは、「電解コンデンサー」「タクトスイッチ」「ボタン電池」を調達します。

アルミニウム電解コンデンサーの調達

今回は、マルツオンラインさんと知人からコンデンサー類を購入。

日本ケミコンのKMGシリーズ(105℃品)とニチコンのUVZシリーズを準備しました。

タクトスイッチ 6mm角2ピン 180gf 黒 10個入り TVDP17-050B-D*10 _製|電子部品・半導体通販のマルツ :

SC-55はそこまで内部スペースに厳しくない実装のためあまり問題はないですが、念の為一番大きいコンデンサーだけ内径を測って確認しました。

耐圧を上げると内径が大きくなるので、他の部品と干渉する恐れがあるので要注意です。

SC-155 電解コンデンサー25個(全てラジアルタイプ)

耐圧 容量 個数(備考)
C5(Φ12mm,hight22mm) 16V 2200μF 1
C80 16V 220μF 1
C13,C25,C26,C27,C42,C77 16V 100μF 6
C10,C18,C24,C55 16V 47μF 4
C21,C22,C28,C33,C43,C44,C45,C46,C47,C48 16V 10μF 10
C34,C35,C78 50V 1μF 3

SC-55mkII 電解コンデンサー24個(全てラジアルタイプ)

耐圧 容量 個数(備考)
C6(Φ12mm,hight22mm) 16V 2200μF 1
C8 16V 220μF 1
C3,C25,C28,C37,C44,C45,C47,C48 16V 100μF 8
C40,C43,C50,C53,C98 16V 47μF 5
C31,C34,C75,C78,C81,C95 16V 10μF 6
C5,C58,C60 50V 1μF 3

SC-55 電解コンデンサー24個(全てラジアルタイプ)

55mkIIと同じかと思いきやかなり違いました。

耐圧 容量 個数(備考)
C2(Φ12mm,hight22mm) 16V 2200μF
C18,C19,C31,C32,C33,C34
C44,C45,C46,C47,C48,C49
16V 100μF 12
C13,C58,C83 16V 47μF 3
C31,C34,C75,C78,C81,C95 16V 10μF 6
C7,C35,C36 50V 1μF 3

SC88ST 電解コンデンサー30個(全てラジアルタイプ)

個数は多いのですが、同じ種類ものが多かったり、大きいサイズのものが少ない印象です。

耐圧 容量 個数(備考)
C9 16V 1000μF 1(一番特殊で大きい)
C14 16V 220μF 1
C19 16V 47μF 1
C7,C30,C32 50V 1μF 3
C2,C5,C13,C15,C20,21 6.3V 100μF 6(16V品で代用)
C16,C22,C25,C26,C29,C42,C44,C48,C51
C57,C72,C83,C90,C92,C93,C94,C95,C96
16V 10μF 18

SC-7 電解コンデンサー28個(全てラジアルタイプ)

小さいコンデンサーばかりでした。普通のサイズのコンデンサーだとシールド板にぶつかるので低背を用意するか、斜めに取り付ける必要があります。

耐圧 容量 個数(備考)
C61 50V 1μF 1
C20,C23,C30 16V 220μF 3
C2R,C3R,C10,C14 16V 47μF 4
C15,C28,C40,C46,C52 6.3V 100μF 5(16V品で代用)
C6R,C6L,C8R,C8L,C29,C31R,C32L,C32R,C32L,
C33R,C33L,C34R,C34L,C36R,C36L,C60
16V 10μF 16

タクトスイッチの調達

表面についているボタンのスイッチです。こちらはマルツオンラインから調達。

効かないボタンがあるわけではなかったのですが、精神衛生上、せっかくなので交換してみます(光るスイッチは入手不可かも?ということで交換は見送り)

こちらの6mm x 6mm。2本足(2ピン)タイプのものを17個用意しました。10個で150円(税別)

SC-155のスライダー上部のタクトスイッチ

よくよく確認したら、全部おんなじ2ピンでした・・・。数は13個です。

ダイオードの足をタクトスイッチの足と勘違いしてました。。。お恥ずかしい。

 

まあ、4つ足もいつか使うときがあるでしょう。

分解(SC-55/SC55mkII)

メイン基板の取り外し

SC-55mkII

それでは、まずはSC-55mkIIから分解していきます。

まず、カバーを止めている短いネジ(背面1本、側面4本)をはずします。

次に、背面と基板を止めているやや長いネジを5本とACアダプターのケーブルをひっかけるパーツの1本(このネジだけ違うネジ)をはずします。

最後に、基板を底ケースに固定しているネジを基板の上から5本、裏面から2本、はずします。

ネジの種類が微妙に違うので要注意です。

SC-55

mkIIと異なり、中央に鉄板があったり、コネクタが外しにくかったり、メンテするのにやや面倒でした。

コネクターの取り外し

次に、基板がはずすためにオレンジ色のコネクタを基板コネクター外しを使って慎重にはずしていきます。

こちらの工具が大変便利でした。


黒いフラットケーブルの刺さっている白いコネクタは特殊で、左右のロックを上に押し上げると抜けますので、無理やり抜いてはいけません。

これで底ケースから基板が外せるのですが、ピッタリなサイズで入ってるので外れにくく、根気強く動かすとはずれました。

フロントパネルの取り外し

タクトスイッチを交換するために、フロントパネル部分を分解します。

まず、パネルの上下に合計4本黒いネジがあるのをはずし、次にパネルに基板を固定しているネジを外します。

この時に、コネクター類がうまくはずれなかったので、あまりコネクターを抜き差ししたくなかったのでつないだままで作業を進めるために、コネクタのコード類を束ねてケースに固定している結束バンドをカットしました。

これで、分解完了です。

分解(SC-155)

メイン基板は取り外ししやすいですが、液晶パネルの部分などがシールドがあり若干面倒でした。

カバーの取り外し

背面と前面下のネジをはずすとカバーがはずれます。

真ん中の3つのネジでメイン基板と底の鉄板を固定しています。

長さが若干違うネジで背面から止められています。

フタを開けるときにつながっているケーブルに注意します。

メイン基板の取り外し

複数のコネクタがあるので、どれがどこにつながっているか記録しておきましょう。

白いコネクタだけ特殊でツメを上に上げると抜けます(SC-55mkIIと同様)

コネクターはずし器具をここでも活用します。

その他の部品の取り外し

表面部分がシールドで覆われているのでネジをはずします。

左上のところのタクトスイッチの基板と右上のPOWERスイッチの基板は、小さいネジをはずすと外れます。

SC-55と異なりスライダー部分の基板があります。汚れていたので綺麗にします。

最後にスライダーの上の部分の基板です。ここにもタクトスイッチがあるので交換します。

分解(SC88ST)

天板が止めてある左右と後ろのネジをはずして、フロントパネルのネジを4つはずすし、基板を止めているネジを両面からはずすと基板が取り出せます。

コネクタも1つしかなく、一番簡単な作りでした。

分解(SC-7)

プラスチックなケースの底面のゴム足のところの中のネジを4本はずすとばらせます。

なんとこいつ、基板にシールド板がご丁寧に上から下からはんだ付けされていて厄介です。

根気よく丁寧にハンダを剥がすと基板が取り出せます。

部品の交換作業

電解コンデンサーの交換

基板上に「+」「ー」が書いていないのでわかりにくいのですが、マイナスの印みたいなのがあるので取り付けるときはそれを目印にするようです。

普段はハンダゴテは370℃で利用していたのですが、今回はあまり高温は良くないらしく、270℃に設定して作業しました。

手順はいつもと同じように、追いハンダ>裏面からこてを当てながらコンデンサーの頭を少しずつ傾ける>それぞれの足で繰り返す>抜く

という感じではずしていきました。

取り付けるときは半田が少し溶けにくかったので、320℃に設定して取り付けていきました。

1つを除いてすべてコンデンサーの向きが同じなので「+」「ー」を間違えにくく親切ですが、念のため、最後に向きを確認します。


SC-55mkII


SC-88ST


SC-7 標準サイズのコンデンサーがシールド板に当たらないように斜めに取り付けています。1箇所だけコンデンサーの足と一緒にダイオードが付いてるところがありました(写真右上)

タクトスイッチの交換

タクトスイッチは、「POWERスイッチx1」と「各種設定用x16」の合計17個です。

POWERスイッチ

まず、POWERスイッチ部分です。

ここは完全に分解しなくても、この状態のままでコンデンサー交換の要領で古いスイッチを取り除き、新しいスイッチを取り付けました。

各種設定スイッチ

次に各種設定スイッチ部分です。まずは外しまくります。落ち着いて作業すれば難しくはないです。

取り付け完了。キチンと奥まで挿さっておらず浮いていないように確認します。

SC-155

角2ピンのタクトスイッチになっています。

交換自体はそれほど難しくありませんでした。

ボタン電池(CR2032)の交換

普通のボタン電池でCR2032(3V)です。とりあえず交換しておきます。

SC-55についていた電池は少し粉を吹いていたので要注意でした。

接点復活剤の塗布

これまであまり活躍の機会がなかった謎に高価な接点回復剤を塗布してみました。

動作テスト

分解と逆の手順で組み上げて、フタを締める前にテストしてみました。

デモソング再生(SC-55mkII)

SC–55mkII唯一(?)のおまけ機能として、「POWER OFFの状態から、PARTの<>を押しながらPOWER ON、そしてALLボタン」でデモ再生が始まります。

問題ないようです。ボタンもすべて動作確認できました。めでたしめでたし。

SC-55

ボリュームの白い部分が少し黄ばんでおり、これをきれいにホワイトニングする方法、募集中です。

ブライトニング(ハイター)だと、黒いところも白くなってしまわないかな、と。。

SC-155のメンテナンス

無事に終わりました。(2021/5/3)

次は、もう少し難しそうな表面実装コンデンサーがあるSC-88Proのメンテナンスに挑戦します。

おまけ(ACアダプター>USB化)

RolandのMIIDI音源用電源といえばこちらのACアダプターですね。正直、でかくてかさばります。

もしUSBで給電できたらなあ、と、なんと昇圧ケーブルがありました。1,000円くらいなので、早速トライ。

センターマイナス(ー)というレアなケーブルなのですが、こちら、なんとSC-55mkII駆動できました(ご利用は自己責任で!)

※ちなみに初代ファミコン用のACアダプターも使えたりします(豆知識)