エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(7)~メンテ編その3~

2021/04/04

そろそろ終わりが見えてきました

2021年、年明け一発目の更新は去年から引き続き、こちらのX68000を修理してゲームで遊ぼうのエントリから!

エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(1)~導入編~
エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(2)~購入ルート編~
エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(3)~選定編その1~
エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(4)~選定編その2~
エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(5)~メンテ編その1~
エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(6)~メンテ編その2~

最後の鬼門「電源修理」

ついにここまできました。X68000においてもっとも壊れやすく、もっとも直すのが大変とも言われる「電源ユニット」の修理です。

電源修理は「素人は手を出してはいけない。火災や失明の恐れがある」ということで、まさに鬼門だったわけですが。

それでもやはりX68000修理の上では避けては通れないということで、トライしてみます。もちろん、何が起こっても自己責任です。

X68000XVIの電源の型番はSH4

X68000は電源ごとに型番がついてるようです。

・初代 UADP-0047CEZZ
・ACE SH2
・ACE-HD SH3
・EXPERT/XVI/030 SH4(一部のXVIに派生型のSH4B、トランスの巻きが異なる)
・PRO/PRO2 SH5 前期(S/N:3-4桁)、後期(S/N:6桁)
・Compact/Compact030 SH7

特にSH2~SH4は同じ形をしているので必ずしも外身と中身が一致しているとは限りません。

表面のシール等で型番を確認してから交換部品を準備するのが良さそうです。

分解

本体に止まっているネジをはずして、つながってるケーブルをはずします。

このとき、反対側のタワーに1つコネクタがつながっているので、両方のカバーを外さないと電源が取れません。いちいち厄介です苦笑

電源ユニットが取れたら、ケースのフタをはずします。普通にネジで止まっているだけなのでここまでは簡単です。

ケースの底と基板がクリップのような金具で止まっていて、これをはずすのが最初わかりにくく、また絶縁テープが挟まっているのでここがちょっと難しいです。

表面はそこまでの損傷はありませんが、裏面はヤニ汚れが結構ついてます。あとで無水エタノールでキレイにします。

ひどいものだとこの時点で基板が焼け焦げて炭化していることもあるらしく、そのレベルだと私の手には負えませんね。

部品の取り外し

このパートがやはり一番しんどいです。焦らずに少しずつ進めます。

まずは簡単な大きいコンデンサー類やトランスからはずしていきます。

電源基板はハンダが溶けやすいので、慣れていれば電動ハンダ吸い取り器でどんどん外していってもいいかもしれません。

小さい、ダイオードとツェナーダイオードが極性があるので、シルク印刷が消えてる場合は取り付けの際に要注意です。

小さい部品は中々取れなかったので、こんな感じでハンダで溶かしながら、キリで持ち上げたりして外しました。

とりはずし完了。大きい抵抗やセラミックコンデンサなどはプロの助言から、今回対象外としましたが場合によってはもちろん交換が必要でしょう。

基本はできる限り多くの部品を交換する、です。一部の部品だけ交換して直ったように見えてもそのうちまた故障して結局、交換することになるようです。

基板の洗浄

基板を無水エタノール漬けにしてキレイにするためのケースを100均で探したのですが、中々お目当てのものが見つからず。

別ので代用しようとしたのですが、大きすぎたり、小さすぎて入らなかったり、と失敗でした。

100均を複数店舗まわって、やっと見つけました。なぜかこれがジャストサイズなんですよね。

はい、ジャストサイズ!

1時間ほどエタノールに漬けて歯ブラシでゴシゴシ、綿棒でフキフキしたりしました。それでもひどい場合はフラックスクリーナーの併用がよさそうです。

※2020/2に買った時は1,300円くらいだったのですが、2021/1では1,800円くらいになってました。コロナ影響ですが、今後も品薄になる可能性があるんで、追加購入しておきました。

部品の取り付け

あとは、1つずつ丁寧に取り付けていきます。小さいパーツからつけるのが鉄則のようです。

抵抗、ダイオード、IC、コンデンサー、トランスのような順序でつけていきました。取り付け向きがある部品は要注意です。

この手の、ICの丸ポチ(●)の位置を合わせてつけるパーツなど、初めてだったので勉強になります。

一通り取り付けたのですが、その後、どうにも不調だったのでいつもの電源修理のプロに泣きつき、ハンダをつけ直していただいたのがこちら↓。

さすが数百台の電源修理をされているスーパーマンです。自分もこのレベルに少しでも近づきたいです。

動作テスト

まずは何も繋がずの無負荷状態でテストです。

面倒ですがきちんとケースに入れます。

そして、電源コードとコンセントの間にこたつスイッチをはさみ、緊急事態(ヤバいときに電源をすぐに落とせる)に備えます。

ドキドキのスイッチオンです。最悪、家のブレーカーが落ちた、みたいなこともあるとか。

正しく修理できていれば空冷ファンが周り、各端子から、+5Vや+12Vなどの電圧が出てるか↓のような情報を参考にチェックします。

しかし、、、電圧が出ていないなど不安定なところがあり、結局自力では修理しきれず、プロのところに入院して、復活させてもらいました。

他にも、この下部基板につなぐVHコネクタ(白いやつ)がへたれてきていると、通電しないケースがあるらしく。

交換用の部品やかしめる工具も必要なので、今後の課題です。

電源修理は、大物の部品がだめになっていたり、どれだけがんばっても直らないケースもあるようなので、その時はATX電源化も1つの方法でしょう。

いよいよ次回は最終回

次回、各部の動作チェックをクリアしたら、ゲームをプレイしてみたいと思います!!

エミュじゃない!中古のX68000XVIを直してゲームで遊ぼう(8)~動作チェック編~【最終回】

長かった・・・・。