モニタなんてみんな一緒じゃないの?
なんとかX68000の実機を入手したので、いざ手持ちのモニターをつなぐと「全然映らない・・・」
そうなんです。いわゆるいまどきのパソコン用液晶モニターをX68000につないでほぼ映りません。
どうして今のモニターだと映らないの?
そもそも昔はデスクトップパソコンがメインの時代には外付けモニターは必須でした。
最近はノートPCが増えたので外付けモニターとしての需要はすっかり減りましたが、セカンドモニターとしての利用機会は増えました。
そこで手持ちのWindowsやMac用の液晶モニターをつないでも映らないのはX68000が故障しているのではなく、モニターが水平同期信号(水平同期周波数)がX68000用の15KHz、24KHz、31KHzに対応していないためです。
↓仕様書を見てみると水平同期周波数が高すぎてうまく映らないのです……。
X68000が映るモニターが知りたい!
それではX68000で使えるモニターを紹介していきます。
SHARP 純正CRTモニター(1987年)
X68000が現役だった当時(1990年頃)はみんなこの手のブラウン管式(いわゆるCRT)のモニターを使っていました。
当然ですが、15KHz、24KHz、31KHz、ばっちり映ります(15KHzと31KHzのみの2モードモニターもあります)
画面のサイズは14インチ~15インチでしたので、今となってはこの画面サイズではやや小ぶりです。
これらがベストなのですが、液晶に比べるとかなり重く(CZ-600Dは14.6kg)大きいので置き場所も限られます。
そして何より最大の弱点が故障したら直すのはほぼ無理なので初心者にはおすすめできません。
オークションにはいつも数台出品されておりつい買いたくなりますが内部の高電圧などかなり危険ですので安易に手を出すのはやめておきましょう。
ブラウン管修理は素人お断りと……
三菱 MDT-152X(2000年)
ここからはすべて液晶モニタの紹介です。
「三菱 VISEO MDT152X」
外付けのチューナーボックス?が幅を取るのがやや難点ですが、X68000の各周波数がきちんと表示されます。
仕様書には24KHzまでと書いてありますがなぜか15KHzまで映ります。画面サイズは15インチです。
似た型番のMDT-151はうまく映らないので、MDT-152と間違えないように要注意です。
販売されてるのはあまり見かけないので入手性は低いです。
EIZO FlexScan S2000(2006年)
「EZIO FlexScan S200」
液晶モニターとしては珍しく色がベージュと黒があります。
2000年頃に黒モデルをオークションで送料込みで4,000円で入手できました。
入力系統がアナログRGB入力に加えて、DVI端子入力でWindowsパソコン(1600x1200まで映る)と兼用することもできるので便利ですが、残念ながら15KHzは映らないので注意です。
こちらも最近では売っているのをあまり見かけません。
また液晶モニターにしてはかなり重く(9kg)取り回しにくいです。
またサイズの大きいSX2461Wというモデルもありますが、その分さらに重いようです。
センチュリー LCD-8000V(2009年)
「CENTURY LCD-8000V(plus one)」
サイズが小さくサーバメンテナンス用とうたわれている小型の液晶モニターなのですが、なんと15KHz、24KHz、31KHzが映りUSBパワーでも駆動するので使い勝手はとても良いです。
ただしやはり8インチのため老眼には厳しいので普段使いにはちょっと向かないです。
近頃はオークションでも高騰しているので入手性は低いですが1つ持っておけると安心です。
センチュリーから後継機種もたくさん出ているようようなのですが、中々3モード表示できるものはなさそうです。
レトロPC界隈でも愛好家がたくさんいる液晶モニターです。
cocopar 13.3インチIPS全視野モニター(2017年)
「cocopar IPS全視野モニター」
「軽量」「IPS液晶」「3モード対応」ということでレトロPC界隈に救世主のように現れたモニターがこちらのココパーモニタです。
ベゼルがプラスチックでヤワイ感じは気になりますが注目されました。
ロットによってうまく映らなかったり、現在は販売終了のようですので確実に映るモニターが欲しい場合にはオススメし辛いでしょうか。
DELL p2314ht(2013年)
「DELL p2314ht」
発売からかなり経過してから注目されたモニターで、わたしも現在メインで利用しているモニターです。
元々はWindowsパソコンなどで利用できる一般的な液晶モニターなのですが、(ロットにもよりますが)、当たりだと15KHz、24KHz、31KHzがバッチリ映るスグレモノということがわかり、私も仕事用と、レトロPC用のモニターの兼用で愛用しています。
10,000円くらいで入手できるので、X68000で利用するならこのモニターが一番オススメでしょうか。
Amazonベーシック モニター C24M2020DJP(2024年) 【NEW】
「Amazonベーシック モニター C24M2020DJP」
「もうしばらくはX68000が映る液晶モニターは出ないかなぁ・・」と思っていた矢先に、まさかのAmazonの新型モニターが映る!という情報をキャッチしました。
しかもAmazonプライムデーで18%OFFの12,121円とか爆安・・・・。DELLのモニターをもう一台買おうと思っていたのでこちらを買ってしまいました。
別記事で詳しくレビューしましたのでぜひ御覧ください。
X68000とモニターの接続方法
モニターが用意できたらX68000と接続していきましょう。
まず今どきのHDMIケーブルではなく、D-SUB15ピンのRGB(VGA)ケーブルと呼ばれるものが必要です。
こちらのようないわゆる一般的なアナログRGB(VGA)ケーブルでつながりません(そもそもX68000に刺さりません)
X68000の背面部分の左下にある「ANALOG RGB OUT」と書かれているところに接続するためには、下図右側の3段コネクタから左側の2段コネクタに変換が必要です。
つまり下記のようなD-SUB15ピン(2列)オス<=>D-SUB15ピン(3列)メスという変換コネクタを使って接続できます。
こちらはまだ新品で入手できるようです。
【番外編1】XPC-4(2009)
どのモニタも調達が大変なので、発想を変えてアップスキャンコンバーターを使うという手もあります。
X68000オーナーで利用者をよく見かけるのは、こちらの電波新聞社のXPC-4です。
この手の機器があれば、31KHzが映らないWindows用の液晶モニターなども使えます。
ただ、かなり高価なのと調整しても表示がはみ出す可能性もあります。
これ以外にも電波新聞社の「フレームマイスター」やIMAGENICS(イメージニクス)の「RS-1530A」などを使ってる方もいますが、いずれも上級者向けでしょうか。
【番外編2】海外製 同人HDMI変換(2024)
最近は、海外でX68000用の同人ハードを開発されているすごい方々がいらっしゃいます。
こちらはHDMIモニターと直結できる変換基板のようです。
X68000 advanced video adapter – Arananet RetroProducts
完全に自己責任プロダクトにはなりますが、気になる方はぜひお試しください。
ちなみに過去、国内でもHDMI改造にトライされていた事例があるようです
x68.aikotoba.jp/scan/index.html : ビデオ出力規格変換(SVGA化)とHDMI(2014)
まとめ
入手性 | コスト | 画面サイズ | 利点 | 難点 | |
---|---|---|---|---|---|
純正CRT(ブラウン管) | ◯ | X(程度次第で数万円~) | ◯(14インチ~) | 再現度100% | 故障リスク&重い |
三菱 MDT-152X | X | △(15,000円~) | ◯(15インチ) | 3モード対応 | やや場所を取る |
EIZO S2000 | X | ◎(4,000円~) | ◯(インチ) | 発色良い | 15KHzがNG、重い |
センチュリー LCD-8000V | △ | ◯(13,000円~) | △(8インチ) | USB駆動&携帯性 | 画面狭い |
cocopar | X | △(20,000円~) | △(11インチ) | 軽量&発色良い | 品質にやや不安 |
DELL p2314ht | ◯ | ◯(9,000円~) | ◎(23インチ) | 広い&3入力対応 | 24KHz表示不安定 |
Amazonベーシックモニター | ◎ | ◯(14.000円~) | ◎(24インチ) | 軽量&広い&新しい | 24KHz表示不安定 |
総合的に見て、2024年時点では「DELL p2314ht」の中古入手がベストと思われていましたが、Amazonベーシックモニターに軍配があがりそうです!
P2314Htも良いモニターです
アーケード基板や他のレトロPC(PC8801やMSX)の需要も増えているので、今後もレトロマシンに優しいモニターが販売されると嬉しいです。