まず最初に2016年、任天堂から「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」が発売されました。
ここからレトロゲームのミニチュアブームに火がついたのか、スーパーファミコンやメガドライブ、NEOGEOなど次々に発売されました。
そして2020年には「PC-8001」「MZ-80C」といったレトロパソコンの小型モデルも発売になりました。
そんな中、1987年に発売されたレトロパソコン「X68000」ミニのクラウドファンディングが始まったのです。
クラウドファンディング前夜
実はクラファンが始まる前に知る機会がありました。
「X68000 Z」,明日の予定だった詳細発表が延期に。あわせてモニタリング参加者の募集を告知
公式発表が延期される中、レトロPC人気からか毎年規模が大きくなってきている「MI68」というレトロPCイベントの2022年10月9日に行われた第12回でこっそりX68000Zが展示されました。
この頃はまだ何もかもが秘密のヴェールに包まれていました。
その名も「X68000Z」。瑞起(ずいき)さんという会社が開発されているのでZとのこと。
この時点では触ることすらできず、本来フロッピーディスクドライブのスロットにSDカードを入れて起動できる、くらいのことしかわかりませんでした。
クラウドファンディング開始
そのおよそ2か月後。2022/12/3に突然、X68000 Zのクラウドファンディングがkibidangoというクラファンサイトで始まりました。
「時を、超えた。」伝説のモンスターマシンを復活させたい!(By 株式会社瑞起) - クラウドファンディング | Kibidango【きびだんご】
どんなものなのか誰も詳細情報がよくわからないのに、目標金額の3,300万円を大幅に超える、6627人による、¥354,190,718(971%)をあっという間に達成しました。
こんなにX68000Zに期待する人がいたなんて!?
しかもキーボードやマウスがつくからといって一口「68,000円」。新品のプレイステーション5や任天堂switchが買える金額です。
正直驚きました。
というわけで、わたしもいてもたってもいられなくなり、一口乗ってみることにしました。
いくつかの支援プランがあったのですが「このビッグウェーブに乗るしかない!」といわんばかりに、スペシャルサポーターズプランを選びました。
なんと当時、X68000オーナーが入会できる「EXEクラブ」のカード電卓会員証などがオマケでつくらしい。
カード電卓というところが時代を感じる
1992年に中古のX68000XVI買った当時は大学1年生で、新品のフルセットはとてもとても買えなくて、今その時の気持ちをリベンジです。
到着予定も3ヶ月後の2023年3月末らしく、いつ届くか分からないクラファンもある中で、早いのも良かったです。
それにしてもこの時点ではただのお祭り騒ぎに参加しているだけで、X68000Zというムーブメントについて全然理解できていませんでした。
ZUIKI社突撃取材
そんな2022年末のある日、突然ライブドア時代の知りあいから「X68000 Zを見に行かないか?」とお誘いがきました。
なんでもX68000 Zの商品企画部長と直接、「開発のこだわり」や「製品にかける想い」について聞けるらしいとのこと。
これは千載一遇の好機(チャンス)。場所も横浜と自宅からは遠くなかったので1秒で了承しました。
年明けの2023/1/6。はやる気持ちを抑えつつZUIKIさんのオフィスがある最寄り駅に着きました。
オフィスの近くでランチを食べながら事前打ち合わせをしていたら、担当の横にいて68についてアドバイスするくらいの予定だったのに、気づいたらメインでガンガンインタビューをするということに。
喋りすぎて記事にならないように気をつけねば
kibidangoの方とビルのエントランスで落ち合ってからいよいよZUIKIさんオフィスへ。
いきなりX68000Zのポスターが掲示してありテンションがあがります。
広い会議室に最新版のZが大きいモニターに接続されており、付属予定のグラディウスが流れていました。
そして企画部長の米内さんとご対面。「えくしびさん!お会いしてみたかったです!」と(笑)
用意してきた質問にお答えいただきつつ、X68000Zプロジェクトの発端から今後の展望やこのZフィーバーの理由についてなど幅広くお話をお伺いでき、気づけばあっという間に1時間が経過していました。
ついつい68熱が入りすぎてしまった...
詳しくはこちらの完成記事を御覧ください(読みづらいところはあえてのライブ感ということでお許しください)
「クラファンで本体完売」偉業達成の「X68000 Z」新情報続出!開発部長 VS X68ガチオタクの熱闘インタビュー、その結末は…… | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト
改めてX68000とX68000Zの魅力とは
ZUIKIさんのオフィスを後にしながら、X68000について考えていました。
ふと……現代は「コストパフォーマンス」「タイムパフォーマンス」重視。つまり、ものごとの判断基準はこれはどんなメリット(パフォーマンス)があるのか?
そういうところに話題が終始しているような気がします。
X68000が発売された時、分かっていたことは今回のX68000Zと同じく、「グラディウスが遊べる」ということただそれだけ。
でも、それにパソコン少年たちはみんなワクワクした。
だから、今回のX68000Zもこのハードウェアへのワクワク感がこの大型クラウドファンディングの達成の原動力になったのではないのかなと。
X68000はユーザーたちで育てるパソコン
その後、一般流通用のブラックモデルも発売となり、Youtubeではオフィシャル番組の配信も始まりました。
伝説のパソコン「X68000」のリメイク版「X68000 Zシリーズ」最新モデル「X68000 Z PRODUCT EDITION BLACK MODEL」 | 株式会社瑞起のプレスリリース
毎回新しいX68000Z関連のニュースや情報が発信されていて楽しいです。
何が起こるか分からないから不安ではなくて、何が起こるか分からないからこそ楽しい。
そういう感性はいつまでも大事にしたいと思います。
まとめ
数ある復刻ハードの中においてX68000Zは、正直、使い勝手の部分でお手軽とは言いにくいところもありますが、ぜひ気になったらこの機会にお手にとってこの空気を感じてみてください。
いつかX680000XVI型のZも出たらいいな
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