Rolandの伝説的DTM向けLA音源「MT-32」をメンテナンスする
【目次】
苦節●年、、、ついにゲットしたMT-32
DTMの世界における元祖LA音源。
初めて知った時は(高校生の頃かな)、SC-55と比べると派手さも無いし、CM-64もCM-500も持ってたら(CM-32Lはまだ持っていない)いらないや、、、。
そう思っていた時期が私にもありました。
でも、、、いつからか、この黒くてゴツくて液晶パネルのついてるMIDI音源が「強烈にほしい!」と思ったときには、オークションで2万円を超えていて、躊躇しているうちに、3万円を超えてきて、いよいよどうしようかと。
「ちょっともう買えないかなぁ・・・CM-64ですらこんなにしないよ・・・別に互換の音源持ってるしな・・・」
そんなある日、某イベントのジャンク市で
「えくしびさん、MT-32売ってるよ!」
「ええっ?!まじで?」
Twitterで、欲しい欲しい言っておくモノですね。
なぜか欲しい物をフォロワーさんが覚えていて垂れ込んでくれることがほかでもありました(良いのか悪いのか・・・)
「どらどら・・・ホンマに売ってるー、しかも2万円!(3万円なら悩んでた・・・)」
もともと出費の予定はなかったのに、イベント開始と同時に買う人はいなかったので、勢いで買っちゃいました。(お店の人、ありがとうありがとう)
前期型と後期型
MT-32には、大きく分けて前期型と後期型があり、見分け方は背面に「PHONE端子」の無いが前期型、あるのが後期型とのことです。
前期型はMIDIデータを取りこぼす可能性があるということで、PHONE端子もある方が便利なので後期型の方が人気らしいですが、前期型のROMが必要なこともあるらしく、両方持ってるとベストらしいです(そんな無茶な)
前期型
後期型
メンテナンス
というわけで、分解してコンデンサー交換をしてみます。SC-55系のようにボタン電池は入っていませんでした。
カバーを止めている側面のネジを外して、蓋をずらします。
基板が短めのネジ6本で止まっているので外すと、筐体からとりはずせます(なぜか、1本ネジがなかったのと、1箇所、スペーサーとだけ繋がってるネジがあるのが謎です)
コネクタ類を慎重にはずしていきます。液晶ディスプレイに接続されているフラットケーブルの部分は、白い部分を最初、上に引っ張ったのですが、はずれず、下に押し込むと少しバネのようになっていて、スルッと抜けます。無理に引っ張るともげてしまうかもしれないので要注意です。
また、三端子レギュレーターがシャーシにネジ止めされているので、ネジを外します。
コンデンサー交換
電解コンデンサーは全部で20個です。SC-55系と違うのは、BP(両極性)のコンデンサーが4箇所あるところです。
基板上でも、マイナスを表す「○」がついていないところが、BPの目印です。
個数 | 耐圧 | 容量 | 備考 | |
C39,C40,C69,C72 | 4 | 16V | 1000μF | |
C30,C54,C63,C79 | 4 | 16V | 100μF | |
C7,C24 | 2 | 16V | 10μF | BP |
C48 | 1 | 16V | 10μF | |
C12,C15,C36,C37,C38 | 5 | 16V | 47μF | |
C8,C9 | 2 | 16V | 47μF | BP |
C27,C28 | 2 | 50V | 1μF |
今回はこれだけですので、さくさく交換して、さっさと元に戻して動作テストすることに。
動作テスト
おや、、、ACアダプターを繋いでも、液晶が点かない(コンデンサーを交換する前には点いていた)
これまたSC-55系のように、POWER LEDなどが無いので、何がだめかわからない(最近、ショートして燃えたりしてるので、かなり焦った)
コンデンサーの向きをすべて確認して、液晶につながってるフラットケーブルの向きが実は表裏逆とか、左右反対とかチェックするも、OK。
「うーん・・・詰んだか?・・・」と思った時、
「ぷらーん・・・」
ありり、なんか、3本線の内、1本がちぎれてないか、これ??
経年劣化なのかなんなのか、脆くなっていたようなので、一度ハンダをはずして被覆し直し(そこまで長さがギリギリじゃなくてよかった)、再度半田付したところ・・・
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これにて無事にファランクスも聞くことができました。めでたしめでたし。
68のゲームで、MT-32で曲をずっと自動で流してくれるミュージックモードのあるゲーム、ないですかね(次の曲へとか操作しなくていいやつ・・・)
そして次は・・・
あとは、CM-32LとCM-32Pと、PCM音源カードを気長に探しまーす。
まずは手元にある、SC-55Kのコンデンサ交換かなあ。。。SC-88Proは表面実装コンデンサがだるそうなので躊躇してるところ。
ROM内蔵のデモ曲のプレイ方法(後期型のみ対応とのこと)
SC-55mkIIやU-110にもデモソングが入っていましたが、MT-32も後期型のみ、デモソングが入ってるみたいです。
5曲と曲数は多いですが、どれもSC-55mkIIのデモ曲と比べるとかなり短いので本当に音色や演奏能力のデモ、という感じです。
演奏方法
- MASTER VOLUME ボタンを押しながら電源ON
- PART ボタン( 1 – 5 ) でソングを選択
- VOLUME ボタンを押す
- 演奏を途中で中止したいときは、 SOUND GROUP ボタンを押す
- 1~5のソングを繰り返し演奏するときは、 SOUND ボタンを押してから、 VOLUME ボタンを押す
- ROM プレイを中止して通常の演奏状態に戻すときは、電源を入れ直す