初期型SC-55のROMデータからmt-32pi用のSoundfontを作成し、FM TOWNSのGENOCIDEスクウェアをRS-MIDIで鳴らす

2024/05/04

やっとまとまった時間が取れてきたので、やろうやろうと思っていてやれてなかったことに着手。

今回は去年入手したFMTOWNSでMIDIを鳴らそうと思ったところ「MIDIボードが高すぎる(X68000用もたいがい高いが・・・)&弾数が少なすぎる…」ということで。

TOWNSで手軽にMIDIライフするにはRS-MIDIが良いのでは?というご意見を多数いただきました。

しかし、ここで問題が1つ。

いわゆる一般的な(?)PC-98やX68000用のRS-MIDIアダプターではTOWNSでは使えないらしい…。なんでやねん。

それは困ったなぁ、、、と思っていたところ、またもや心優しきtwitterのフォロワーさんが対応品を1つ譲ってくださることに。やったー。

そして約1年後・・・。いよいよ動作テストをやらねば、と!

FM-TOWNS II(UX) + RS-MIDI

うちにあるTOWNSはこちらのUX。MIDI音源はなんでもよかったのですが、今回は手近にあったmt-32pi。

演奏データはシステムのセットアップができてないのでとりあえずRS-MIDI対応してるらしいゲームの「GENOCIDE^2」を用意

GENOCIDE^2起動

CDROMからゲームを立ち上げてCONFIG画面でRS-232Cを選択。

順調。アダプターはもちろん、背面のRS-232C端子へ接続。

ミュージックモードから特に苦労することなく鳴りました!

68版が有名ですが、TOWNS版は色々調整されていて遊びやすくなってるらしく、いつかキチンとプレイしたいところ。。。

ところで、このGENOCIDE^2(スクウェア)対応しているMIDI音源は何か?というとGS音源とのこと(X68000版ではMIDI対応してるのはGENOCIDE2だけLA音源対応のみ)

ジェノサイド・スクウェア – Wikipedia

mt-32piは文字通り、MT-32(LA音源)用のハードウェアエミュレーションMIDI音源なのでそのままではGSのデータはちゃんと鳴らない・・・

ん?そういえば最近、SC-55のROMを利用してmt-32piを鳴らしているというのを見かけたような?

いっちょやってみるか・・・。

SC-55用のSoundfontの作成方法

GitHub – Kitrinx/SC55_Soundfont: Converts SC55 ROMs to a working soundfont

ROMデータからmt-32piで利用できるSoundfontというデータを作成できるとのこと。

ROMの取り外し

SC-55の実機を開けて取り出していきます。

初期型SC-55

初期型のSC-55のROMデータが良いらしいと聞いたので、フロントに「GS standard」と書かれた初期型のROMを吸い出すことにしました。

ROMの取り外し

ROMは全部で4つ。コントロール用ROMが1つ、波形データ用ROMが3つ。

波形データ用は基板に直接はんだ付けされてるのを剥がさないといけないので初心者にはハードル高そう。

左上のがコントロール用ROMで、右の3つが波形データ用ROM(A,B,C)機体によってはROMがEPROMになってるものもあるんだとか。

SC-55はコンデンサー交換で散々バラしてるものの、それ以外の理由でバラすのは珍しい。

背面から追いハンダをしつつハンダ吸い取り線で剥がしていきます。

こんな感じで3つはずしました。丁寧に作業すればそこまで難しくは無いです。

ROMの吸い出し

吸い出しのハードウェアとソフトウェアはいつも使っているものです。

高速超小型汎用プログラマー – aitendo

TL866 High Performance Universal Programmer

コントロール用ROM

R15209337(256KB)

波形データ用ROM

A:R15209276(1MB)

B:R15209276(1MB)

A:R15209276(1MB)

それぞれ吸い出したデータをファイルに保存します。

最初、↓のように「X」がついていたのですが、残っていたハンダをフラックスクリーナーで綺麗にしたら読めました(ほっ)

Soundfontの作成

gccなどでコンパイルするそうなのですが、これまた心優しい知人の方にやっていただきました。

出来上がったファイルをmicroSDに入れまて、Soundfontモードから指定します。

無事に鳴りました!(テストはTOWNSじゃなくてX68kですが)手持ちの実機のROMから作ったSoundfontってなんか良いですね。

そして、SC-55mkIIのROMからもできるようなのですが、表面実装されているので吸い出しはかなり困難なようです(こんな感じらしい

(おまけ)波形用ROMのICソケット化

もう2度とはずすことは無いと思いつつも、せっかくなのでICソケット化しました。最初、A,B,Cの位置を間違えて戻してたのでそんなときでもソケットなら安心(ぉぃ)

丸ピンの32ピンソケットが秋月電子で1つ90円でした。

ソケット経由だと接触不良などのリスクがありますが問題なさそうです。やはり実機の音源は良いですね。

おしまい。

MIDISC-55, TOWNS, ZOOM

Posted by xbee