X68000日記(その9)2020.1.26 自動ハンダ吸い取り器(TP-100)を使っての、X68030のFDD修復編

2021/01/16

2019年末にヤフオクでうまいこと落札したX68030

事前の説明どおり、FDDが不調らしく、フロッピーディスクを入れても無反応でした。

なんとか時間を作って、準備していた整備用品を使ってメンテナンスすることに。

予習

レトロマシン修理はじめの一歩 基礎編 レトロマシン修理マニュアル① – Hirofumi Iwasaki@武者返し.com – BOOTH :

まずは情報収集。岩崎先生のマッハ新書をチェック。500円だったので迷わず購入。

他のマッハ新書も気になりあらかた購入。XVI用と030では異なる部分もあるが、多分いけるんではないかと見切り発車。

X68030分解とFDDユニット摘出

分解方法についてはXVIとほとんど変わりないのと、過去にもやっていたのでサクサクと。

太い木ネジみたいなのを3本はずして、つながっている各種ケーブルをはずしていくと、FDDユニットごとはずれる。このユニットがまた、見た目以上に重くて扱いづらいのでケースなどにぶつけて傷をつけないように要注意。電源ユニットとSCSI&外部FDD端子の基板を外してからのほうが、はずしやすい。

特にギアみたいなのが見えてるところつい触ってしまうので、グリスを塗ったあとだとなるべく触れないようにしたい。

赤い線がドライブ0用、青い線がドライブ1用と覚える

こちらも同様。慣れるまでややはずしにくい

この手の、組み直すときに間違えやすそうな部分はスマホで撮影しておくと良いでしょう。

ユニットの側面に8本の同じ形のネジで固定されているので、それをはずすと、ドライブ0と1にばらせます。

ここまではあまり迷うところはないですね。

清掃とグリスアップ

想像以上にほこりがビシビシに溜まっていました。表面がきれいなのに、なぜこんなにほこりが・・・

薄い金属のカバーみたいなのが、大小2種類の2本ずつのネジで止まってるので、やや頭の小さいドライバーではずすとはずれます。

戻すときは、ツメがひっかかるようになってるので、浮かないように注意。

パカッとな。すごいホコリです。

とりあえず、エアダスターを吹きまくってまずはホコリを除去。

次に、古くなったグリスを無水エタノールをつけた綿棒でふきとり綺麗にしてから、以前に模型店で購入してあったグリスを塗る。

今ひとつ、どれくらい塗ったらよいか量の感覚がわからないが、まずはなんでもやってみる。

電解コンデンサー交換

この清掃だけで直れば苦労はいらないのですが、やはり避けては通れない電解コンデンサー交換

見た感じ、XVI(05)のと微妙に違うようですが、

(1)16V、47μFが2箇所x2ドライブ
(2)16V、10μF(低頭型)が4箇所x2ドライブ

で、全部で10箇所、コンデンサーがついてるようです。

(追記)さらにモーター基板の方にそれぞれ3つずつのコンデンサーがついてました。

(3)50V、0.1μF
(4)16V、22μF(低頭型)
(5)50V、0.47μF(低頭型)

まずは、(1)の基板を取り外さずに交換できるところから着手しました。

自動ハンダ吸い取り機調達

コンデンサーをはずす前に、こちらの自動ハンダ吸い取り機を導入。

自動ハンダ吸い取り器TP-100でジャンク修理を効率化! :

具体的な使用感についてまで書いてある記事は少ないので参考になります。

慣れると1つにつき5秒とかではずせるので最高です。病みつきになります。

先日、こちらの白光のものも試してみましたが、gootの方が個人的には合いそうでした

ただ、標準のノズルだとうまく吸えないらしく、追加でこちらの替えノズルへの交換が必須のようです。

使い方としては、先が温まったら、はずしたいコンデンサーの足のところへ被せるとハンダがぶにゅーっと溶けるの基板に突き当たったらすかさずスイッチで0.5秒くらい吸い取ると取れます。

吸い取れるのはいいのですが、使うと「ブボボボボ」家族から大変不評な音がするので、そこだけもう少しどうにかなると良いな、と思う今日このごろです。

コンデンサー交換(1)

ポロッと取れます

(1)の交換は、アプローチしやすい場所ということもあり、罠もなく簡単に交換できました。

これだけで直ることもあるらしいので期待したのですが。

マウントするようにはなったので効果はあったのですが、LEDが赤く光ってすぐに「ぺっ」とFD、を吐き出してしまいました・・・。

コンデンサー交換(2)

仕方なく、基板をまるごとはずしての(2)を処置します。正直気が重いです(苦笑)

まず基板に2種類x2のネジが止まっているので、場所を覚えておきつつはずします。

次に、基板に各種のケーブルがつながってるので1つずつ外していきます。ここで、グレーのケーブルの外し方がわからなかったのですが、針金のようなものを刺すタイプのようで注意深く引っ張ると抜けます。

また、上部のモーターからオレンジのフレキシブルケーブルも同様にひっぱると抜けます。このフレキが戻すときに力の入れ具合が難しく、結局、根本を掴んで少しずつ入れ込みました。破れそうで怖いです。

最後に、裏側のグレーのケーブル1つと、差し込みタイプのコネクターを2つ抜いたら基板ごと外れます。

このとき、ネジが止まってたところにスペーサーがついています。

分解の途中で、「なんか、カラカラ音がするな?」と思ったら、このグレーの4隅のスペーサーがいつのまにかはずれていました。

この部品は接着されていないので、作業中に紛失しないように、基板を外したら保管しておき、コンデンサーを交換したら忘れずに戻すのがよさそうです(1度、つけ忘れて組んでしまい、またバラし直しになりました涙)

早速、4箇所のコンデンサーの位置を確認しつつ外していきますが、1箇所だけ、外しにくいところがありました。

写真の矢印の位置のところで、自動ハンダ吸い取り機が黒いコネクターとぶつかりそうでかなり難しいです。本当は、耐熱シートとか挟むと良いのでしょうね。。。

そこ以外は、さほど難しくないですが、裏面のどれがコンデンサーの半田か間違えないように気をつけました。特に電極が反対だと目も当てられないので特に注意します(当たり前のポイントですが)。

無事に4つ、はずれました!

あとはつけていくだけ!はずすよりは簡単!と思って油断していたら、、、

基板に近いところで半田づけしてしまい、「あれ?これ、頭を曲げて横に倒さないといけないんじゃん」と気づき、付け直しに。

コンデンサー交換(3)、(4)、(5)

その後、ドライブ0が何故か読み込はできるが、書き込みができないことに気づき、残りのコンデンサーを交換。

また、ハンダクラックの可能性を疑い、書き込み防止かどうかをチェックをしているLEDを付け直しました(本当は交換したかったが、部品名がわからなかった)

受光部の穴をゴミなどが詰まっていないか、念のためエアダスターで清掃。

上記の対応後、ドライブ0の書き込みできない問題が解消しました。嬉しい!

組み立て

分解と逆の手順で組み上げるだけなので難しいところはないのですが、少しでもケーブルをもどし忘れると起動しないので気が抜けません。

FDDユニットを止めてる8本のネジを適当に戻すと、スロットの位置とずれてしまい、フロッピーがスムーズに入らなくなるので、ここも要注意ポイントです。

正面からみて、金属板のようなものが見えているとフロッピーが入りません。

動作テスト動画

変な音もせず、FDDもマウントもされてるようなので、惜しいところまでは来ているようなのですが・・・。

結局、コンデンサー交換だけでは読み込むようにならず、次の怪しいポイントの確認に進みます。

時間はかかりますが、徐々にコンデンサー交換の自信がついてきました。