ジャンクなX68000SUPERを直してPhantomXとraspberryPi zeroを載せてみた

Phantomxとは

PhantomX そう、それは、X68000に残された最後のフロンティア・・・。

公式サイトによると…

PhantomXは簡潔にいえばX68000用のMPUアクセラレータです。他のアクセラレータと同様に本体のMC68000を取り外して代わりに取り付けて使用します。 サポートする機種はACE/EXPERT/PRO/SUPER/XVI(Compact除く)です(初代はMPUの実装位置の制約があるため対象外)。

PhantomXの実体はRaspberryPiとMC680x0のソフトウェアエミュレータです。専用のソフトウェアを導入したRaspberryPiをベースボードとリロケータを使用して取り付けます。RaspberryPiはZero/Zero WH/Zero2/2B/3A+/3B/3B+/4Bをサポートしています。

とのこと。

数年前にRaSCSIFDX68で著名なGIMONSさんが開発を進められていて、とうとう2022年にBOOTHでの一般頒布が開始されました。

早速飛びつこうとアクセスしたものの、最初のころは数秒で売り切れという過酷な世界でくじけてたのですが、3か月くらい粘りに粘ったら買えました(やったー)

28,000円(当時は25,000円)。部品代もあがってますし円安ですし、色々大変です。

しかし、MPUの交換だけでお手軽にパワーアップできるので、最近のXellent30が10万円くらいなことや、060turboがそれ以上であること、もとよりそもそも手に入らないことを考えるとraspberryPiを含めても大変リーズナブルです。

自宅のどのX68000に取り付けるか?

というわけで、ラズパイはおうちにストックがあったので問題は「どの68に取り付けるか?」というところ。

030や初代、Compact型は対象外ということで、残るうちの68は1台目のXVI(040excel機)と、一昨年くらいに買った予備のノーマルXVIがターゲットになりました。

ただ、ノーマルXVIはXellent30をつけようとおもっていたので、ここはいっちょ「一番クロックアップ耐性が低いという噂のSUPER」を新規に調達してパワーアップさせようと目論見みました(はい、苦労みそ)。

そんな折、いつものヤフオクを見ているとちょうどジャンクなSUPER-HDが出品されていました。

傷だらけでカバーも壊れてるのですが、基板はキレイそうに見えたのでこれをメンテすることに決定。25k円弱。

お値段的には見た目も悪いのでボチボチですかね。

X68000SUPERのメンテナンス

コンデンサー交換

いつもどおりに、メイン基板、FDD基板、底基板、映像ユニットと、それぞれのコンデンサーを交換して、底基板のボタン電池は外だししました。

FDDのスリットのところが少しネチョネチョしていて怪しい感じでした(結果、先生にメンテいただき動作するように)

FDDの基板のコンデンサーもすべて交換。

電源もここまではずして交換できるパーツはすべて交換しました

電源(SH4)のメガネケーブル化&ファンの静音化

せっかくなので電源(SH4)はコネクタ部分を改造して、メガネケーブル式に変更しました(くにちこさんのキット)

X68000 SH2/3/4/5 電源ACメガネ化キット – くにちこの小物 – BOOTH

サービスコンセントは使えなくなりますが、電源ケーブルの取り回しがしやすくなるので便利です。

あわせて、電源のファンも静音タイプに交換しました。とても静かです。

PhantomXの取り付け

いよいよ準備が整いましたので、取り付けていきます。

と言っても、PhantomXの実装についてはあちこちに情報がありそうなので手短に。

68000を慎重にはずします。

リロケーターとベースボードを取りつけ、ラズパイをとりつけます。

raspberryPi4もこのために用意しましたが、実際にはraspberryPi zeroにしました。

起動しない問題発生!!

最初のうち、うまく起動してたと思ったらそのうちに起動しなくなってしまいました。。。

結論から言うと2か所に問題ありました。

1.キチンと奥までphantomxが刺さっていなかった

⇒イージーミスですね。。これを解決する方法として、68を横に寝かして、PROに装着するように上から下へボードを差し込むことでうまくいきました。(最初からそうすればよかった…)

2.68000のソケットが接触不良を起こしていた

⇒何度か抜き差ししていたタイミングで、ソケットの穴?が広がってしまったのか、このせいでphantomxで起動しない>68000に戻しても起動しない>どこか壊したか?(ガーン)という状態になりました。

問題を切り分けるためにraspberryPiにHDMIケーブルをつないで出力をチェック。こういう画面が出ていればraspberryPiは壊れてないようです。

あとはよく聞くのは68の電源がメンテ不足でraspberryPiを駆動するパワー不足で起動しない(他に電源を必要とするものがつながっている、など)もハマりポイントでしょうか。

とにかく言えることは、phantomxはじめ、どのパーツもちょっとやそっとでは故障しない、ということです。ただ、68000のソケットにずれて挿したりしないような注意は必要です。

動作テスト

特に何も設定せずにデフォルトのままでも高速化されますので、ゲームなどを起動させてテストをしてみます。

やはり沙羅曼蛇ですかね。サクサクです。

次に、MPUの変更やraspberryPiの温度などを調べるのに便利な、ch30_omake.sysをSRAMにインストールします。

ch30full_omake.sysをインストール

ch30_omake.sysの入手先はこちら↓

phantomXを積んでいるとSRAMを標準の16KBから64KBに拡張できます。

phantomx.iniの中を書き換える(#を外すと有効になることに最初気づかず)と反映されます。

今回はSUPERなのでXVIのIPL ROMに差し替えることで、CLRキーでSRAM初期化ができるようになりました。

SRAMへのインストール時に実行したコマンド

chxinst.x ch30full_omake.sys -e-r-i
chxinst.x ch30full_omake.sys -e-i

いったん完成!

1GBのVDISKをWindowsで作成したり、SCSI2SD(V6)を内蔵したりしてみました。

うーん、感動!

ちょっと、raspberryPi zeroでも、50度弱まであがってしまいます。

応用編

microSD延長スロットつき天板

raspberryPiに挿さっているmicroSDカードを抜き差しするたびにサイドカバーを開け閉めするのは面倒くさい。

そんな貴方にうってつけのアイテムがこちら!

X68000 左タワー天板 SDカード延長ケーブル版 – かおりんのレトロPC小物工房 – BOOTH

X68000 右タワー天板 MicroSDカード延長ケーブル版 – かおりんのレトロPC小物工房 – BOOTH

時々入荷されたりされなかったりするので、お知らせメールの登録が大変おススメです!

raspberryPi zeroの冷却

raspberryPi zeroがそのままだと50度前半まであがってしまうので、先日参加したオフ会で見せてもらった方法で冷却してみることにしました。

放熱ゴム

ぷにぷにした粘土のようなゴムです。これを貼り付けます。

アルミ板

ダイソーで売ってたらしいのですがしばらく在庫補充されなさそう(4件ほど見て回りました・・・

アルミ板20×20cm厚さ0.3mm裏面テープ付

激安だったから欲しかった。。。仕方なく、メルカリでたまたまちょうどよさげなのを発見。

送料込みで500円なら御の字でしょう、と。厚みが1mmもあるのがちょっと気になるけど・・・。分厚いほど放熱効果も高いらしいのでいいかな。。

再度カバーに一般的な両面テープで貼り付けました。厚さ1mmなので重量感あります。

30度くらいある室内で43度止まりなので、ファンレスでもまあ使えるかな?という感じです。

普段使いとしては、24MHz化したXVIを触ってるような感じでしょうか。VDISKでのブートも速くて大変快適ですね!

作っていただいた、金ぴかステッカーやphantomXステッカーも貼ってみました。楽しい!

入手から1年以上かかってしまいましたが、色々な方に手伝っていただいてなんとかここまでこれました。ありがとうございました!!

おしまい。