
一番小さいGS音源は何か
RolandのMIDI音源「SC-55」をはじめとするGS音源シリーズ。その中でも一番コンパクトなものがこちらの「SCP-55(1995年発売)」です。
SCP-55はPCカードタイプのGS音源で、当時のノートパソコンにPCカードスロットに挿して使える素敵なデバイスでした。

リブレット20に挿して使ってた
そう思っていたら、なんと単体でGS音源として持ち歩ける機種があるのを発見しました!
その名もポータブルシーケンサー「PMA-5」

| メーカー | ローランド(日本) |
| 発売時期・価格 | 1996年 ¥48,000 |
| 音源部仕様 | |
| 対応音源フォーマット | GS、GM |
| 音源方式 | GS(WAVE TABLE)音源 |
| 最大同時発音数 | 28音 |
| パート数 | 16パート |
| 音色数 | 306音色 |
| ドラムセット | 16ドラムセット |
| エフェクト | リバーブ8種 コーラス8種 |
| シーケンサ部仕様 | |
| メモリ容量 | 21,000音 |
| 音符分解能 | 4分音符=96クロック |
| テンポ | 25~250 |
ポータブルシーケンサーといえば、YAMAHAのQYシリーズが有名ですが、それに近い商品のようです。
いつものようにヤフーオークションなどを探してみたところ、お手軽プライスのPMA-5を見つけました。
ガラス?透明部分が割れていたり、液晶が薄くて見えなくなっていたりのジャンクですが送料込みで4,000円くらいだったのでとりあえずゲットしてみます。

Roland PMA-5 シーケンサー 通電確認のみ 現状品
これ以上なく危険なキーワード「通電確認のみ」ゴクリ・・・とりあえず落札・・・。
まあ、いつものことながら、コレが間違いの始まりだったわけですが・・・
到着したけどペンに反応しない
とりあえず電源を入れると「▼Calibration▲」みたいなのが出て、付属のペンで画面をタッチしても何も反応しません。

やっぱりどこかが故障してるんだろうな?ということで、まずはコンデンサー交換に挑戦します。
メンテナンス
分解
分解自体はそんなに難しくはないです。まずは手帳ケースに大きいマイナスネジ2本で止まっているのではずします。

背面のネジを6つはずすと裏蓋があきます。電池ケースの中にもネジが1本止まってので注意します。

電池ボックスに導線がつながってるので気をつけます。

黒いシールド板のネジを6本はずします。
基板は3枚あって、「液晶表示用基板」「電池とコネクタがついてる基板」、その下に「音源用基板」です。

ちなみに液晶用基板にはコンデンサーはありませんので今回は未処置です。
基板をはずすには白いコネクタの部分のアタマのところを、フレキケーブルの方へひっぱると、フレキケーブルが抜けます。
フレキケーブルを無理に引っ張ってはいけません。
コンデンサー交換
コネクタ用基板

コンデンサーは全部で18個ですべてラジアルリードタイプです。両極性が1つあったりするので注意します。
電池ユニットにつながっているところの330μFを写真のように普通につけるとフタが閉まらないので、足を曲げて横向きに付ける必要があります。
| 耐圧 | 容量 | 備考 | |
| 電源供給部分 | 16V | 330μF | 赤黒コードと一緒にハンダ。横向きに。 |
| C14,C20 | 16V | 470μF | 25V品で代用 |
| C24 | 10V | 220μF | 16V品で代用 |
| C13 | 6.3V | 100μF | 16V品で代用 |
| C6,C7 | 16V | 47μF | |
| C21,C22 | 6.3V | 47μF | 16V品で代用 |
| C1,C2,C3,C8,C9,C17,C18 | 16V | 10μF | |
| C5 | 50V | 1μF | |
| C4 | 16V | 10μF | BP |
音源用基板
ここは表面実装コンデンサーでお約束の電解液が漏れてますが、今回はSC-88のような被害はなさそうでした。

| 耐圧 | 容量 | 備考 | |
| C105、C108、C115、C117 | 6.3V | 100μF | 表面実装⇒ラジアルリードタイプの16Vタイプへ変更 |
およその位置合わせと高さを確認してからとりつけていきます。背の高さがあるものだと、フタがしまらないようです。
電池交換

CR2032にちょっと青錆が浮いていました。他のSC-55系と異なり電池が直接基板に接着されているのでハンダごとはずし、新たに電池ホルダーを取り付けます。

以上、一通りメンテナンスしましたが症状は改善されませんでした。
結局直せないのでニコイチにした
液晶部分の清掃
タッチペンが効かないので、もしかしたらと考えて液晶部分を分解してみました。
黒いプラスチックの爪を6箇所押してはずすと、液晶部分がはずれます。

液晶をフレキケーブルで繋いでるコネクタが怪しい色をしていたのでつけ直してみましたが、改善しませんでした。

このケーブル周りが断線している可能性もありそうでカッターで表面を削って導通を確認しましたが、通電していました。
もっと深い部分が故障したとするとちょっと手に負えない感じです。

できる範囲で手を尽くしましたが、結局どこが悪いのかを切り分け調査する意味でも、もう1台調達しました。
ジャンクを買ってかえって高くつくパターン

部品を入れ替えて調査するもやはり基板ではなく、タッチパネル部分が反応しないようです。
せっかく基板部分はメンテしたので今回はそれを移植してひとまず完成としました。
正常なときは起動時にRoland♪みたいなのが出るようです。

電池を交換して一番最初のときは「Battery NG」と出ますが、次からは「PMA-5」が出るようになります。
電池が切れてリセットされたときは、最初にCalibrationが表示され、画面の右上と左下(EXITの左下。MIXの左上をタッチすると、NGでTry againとなる)をタッチすると、初期設定完了です。
再生テスト
そのままつないでMIDIデータ送信するだけではちゃんと再生されません。
右上の「MIDI」を押して「⇒」を押していくと、「GM/GS Mode」というのがあるので、ここで、ENTERをすると、正しく演奏されるようです。
まったく鳴らないときは慌てずに、PCとの接続方法を選択するスイッチが上にあるのでそれを「MIDI」に切り替えましょう。

カフェでGS音源
せっかくモバイルできるということなので、iPhoneにMIDIデータとプレイヤーアプリ(MIDITrail)を入れて、BluetoothでMIDIデータをとばすモジュールをつなぎカフェのカウンターで再生してみました。

遅延などもなくバッチリ利用できました。
これで作曲するのは今となってはハードルは高いですが、中々楽しめるマシンです。

惜しむらくはバックライトがないため、液晶が見づらいのが弱点でしょうか。
まとめ
最近は徐々に人気が出てきたのか少しずつ金額も上がってきているようですので手に入れる場合は早めがオススメです。
ちょっと手元でSC-55の音を確認したい、そんな用途にはうってつけの1台と言えるでしょう。
