X68000 XVI専用内蔵6Mバイトメモリ [ XM-6BE6AP ]で、XVIをさくっと16MHz⇒24MHz化してみる

X68000XVIのメモリ内蔵事情

X68000XVIの搭載メモリ容量は標準のオンボードで2MB、そこに内蔵で追加が6MB、さらに拡張スロットに4MB、と合計12MBというかなりややこしい構成です。

別に拡張スロットにいきなり10MBメモリを挿すこともできますが、内蔵メモリの方がアクセスが速いのでできるだけ8MBまで内蔵するのがオススメです。

これまで、内蔵用のメモリは、大きくわけて、

  • CZ-6BE2A+CZ-6BE2B(SHARP純正品。親亀+子亀が必要。近年、高騰中)
  • XsimmVI(東京システムリサーチ。比較的安価。文字通り、SIMMが必要)

が選択肢でした。わたしも現役当時、Oh!Xの売ります買いますコーナーで、親亀を募集しましたが連絡はこず、その後、XsimmVIを無事入手しました。

近年、こちらの↓同人ハードが選択肢に増えました。

えくしみえむさん制作 XM-6BE6AP

えくしみえむ 資料館

基板もあたらしく、めちゃんこ格好いいです。SIMMもいりません。

とりあえず秋葉原BEEPで購入

秋葉原BEEPさんで2021年4月頃にゲットしました。

[XM-6BE6AP] X68000 XVI専用内蔵6Mバイトメモリ|BEEP ゲームグッズ通販

通販もあります(残念ながら、2021/10時点で売り切れ中)

6MB内蔵以外の追加機能

と、内蔵6MB増設であればここで終わりなのですが、こちらの増設メモリ、なんとクロックアップ用の回路も載っています。

これを利用することで、比較的容易にクロックアップできるようになっています(もちろん壊したら自己責任)

クロックアップとは

ところで、そもそもクロックアップとはなんでしょうか?

一般的にコンピュータは周波数と呼ばれるある一定の周期(テンポ)に従ってプログラムの命令を実行しています(ざっくり)

この実行のテンポを速くすればそれだけプログラムも高速に動くのですが、速くしすぎるとうまく動かないだけでなく、部品を壊してしまう可能性もあります。

最近のPCなどではソフトウェア的にこのテンポをいじれるようですが、昔のPCは物理的にこのテンポを発生させているクリスタルオシレーター(水晶振動子)を交換することで、高速化を実現していました。

X68000でもクロックアップによる性能アップの恩恵は大きく、XVIでの、16MHz⇒24MHz化が特に有名ですが、EXPERT(10MH⇒17.5MHz)をやっている人も多かったように思います。X68030も25MHz⇒33MHzにクロックアップできる例がありました。

XVI⇒XXIV化

我が家のXVI2号機をクロックアップのためにパターンカットするのが少し後ろ髪ひかれたので、これまでフルノーマルの16MHzだったのですが、せっかくなのでこの機会に24MHz化してみることにしました。

改造箇所は16MHzを発生させている信号線をメインボード上から引き出し、24MHzのオシレータと接続するというものです。

それでは順番にやっていきます。

メインボードの取り出し

まずはメインボードから信号線を取り出します。

XVI2号機はご丁寧にまだシールド板がついており、このままでは信号線が取り出せないので、泣く泣く分解しました。

パターンカット

こちらの写真の右側にある「FB41」をカットします。普通にニッパーで、鉄線をパチン、とやりました。これでいいんかな・・・。

信号線の引き出し

あまり信号線が長いとクロックがなまるらしく、なるべくギリギリの長さでつなぐのが良いそうです。

シールド板はあっても、あまり考慮しなくても、長さは大丈夫のようでした。

ハンダが乗りづらく、若干怪しいはんだ付けですが、ヨシとします。

オシレータとICをセット

XM-6BE6AP上に、48MHzのオシレータと、74LS(HD74LS157というのをいただきました)と呼ばれるICをセットし、そこに信号線を接続します。

XVIで供給されるクロックは2分周といって、半分になるので、48MHzで24MHzになります。

動作テストしてみます。

動作テスト

si.r

ちゃんと24MHz化されたようです。

25MHz化にもトライ

ワンチャン、25MHzで常用できないか、とトライしてみましたが、エラーが頻発してちょっと使い物にはならなそうなのであきらめました。

一応、siは起動したので、記念撮影。

完成

さらには16MHzと24MHzの切り替えスイッチや、24MHzモード時に点灯するLEDなどつけることができるのですが、あくまでサブ機だったので今回は保留しました。

クロック切り替えスイッチも24MHz固定にしておいて、純正の10MHzと16MHzの切り替えスイッチで10MHzになるのでそれでもいいかなと(単なる手抜き)

おまけ

シャープ X68000 XVI向けの増設用6MBメモリが店頭入荷、実売1.5万円 – AKIBA PC Hotline!