令和の時代にレトロPCの映像出力にはもはや液晶モニター一択でしょうということで、これまでずっとCRTだけは手を出すのを避けてきました。
レトロPC界隈禁断の領域へ
やはりどうしてもこの写真の醸し出す雰囲気を捨てきれず、もやもやする毎日。
しかし、ブラウン管は液晶モニターと比べると
・重い(腰が死ぬ)
・大きい(邪魔。置き場所問題)
・電気代高い
など、何もいいことのない3重苦なのですが……つい魔が差して手を出してしまいました。
いつものヤフーオークションで購入
最近まではCRTなんてオークションでは二束三文だったのですが、いつの間にかCZ-614D、615Dあたりになるとジャンクでも5万円をくだらず、下手すると10万円という当時の新品みたいな価格になってきていました。
そんな中、ちょうど3モード対応で手ごろな「CZ-612D」を見つけました。
送料込みで33,000円。これでちゃんと映ればお得なのですが、予想通りいばらの道がスタートしました。
とりあえず到着したら電源投入
この頃、ちょうど発売されたばかりのX68000向けPC88版YsIIIがいい感じに映っています。
めでたしめでたし……と思ってしばらくオープニングデモ画面を流しておくと...?
おやおや・・・・なんか色がおかしくなってきました!?
やっぱりなんか色が抜けてますね、、、RGBのR(赤)が死んでしまっているようです。
遅かれ早かれメンテが必要とは思っていましたが、さすがジャンク品です。
分解して修理するしかない
というわけで、ダメもとで分解修理にトライしてみました。
まずはドライバーで背面のネジを3本。周りのネジを4本はずします。すべて同じ形の木ネジです。
キャビネットを上にひっぱるとはずれるのですが、ひっかかってる感じがありややきついので慎重に持ち上げます。
この時に側面のモノラルスピーカーにコードが2本つながっているのに気づかず一緒に抜けてしまいましたが、手差しできるタイプのものだったので、また閉めるときに忘れずに繋ます。
スピーカーの近くには極性が書いてありますので、オレンジを+にイエローを-に繋ぎます。
電源コードだけ背面の穴を通ってるので、そこから引き出してカバーをはずします。
メンテンナスにチルトスタンドも邪魔なので外しましょう。
ネック基板のコンデンサー交換(1回目)
いわゆるネック基板に感電防止?の金属のカバーがついていますので、4カ所のハンダを吸い取ってはずします。
基板が見えたら電解コンデンサーの場所を確認。
耐圧 | 容量 | 備考 | |
C892 | 35V | 330μF | 105度品 |
C835,C855,C875 | 50V | 1μF | 85度品(両極性品) |
C836,C856,C876 | 250V | 1μF | 85度品、450V品で代用 |
C893 | 250V | 10μF | 85度品、450V品で代用 |
コンデンサーをはずして新しいコンデンサーをハンダ付けします。
ハンダ割れを起こしてる可能性があるので、再ハンダもしておきます。
動作テスト(1回目)
キャビネット(カバー)を元に戻して恐る恐るスイッチオン....ぶぅいーん・・・・
ありゃー、前より悪化したような?
どこか触ってはいけないところをいじってしまったのでしょうか……。
あれこれネットを調べてみて、まずは手軽そうなこの白い5連のツマミをいじってみましたが映像に変化なし。
打つ手がなくなった(心が折れた)ので、この後、ざっと半年間机の上で分解されたまま放置していました。
ネック基板のコンデンサー交換(2回目)
状況が変わったということは今回触ったどれかの影響によるもの、というアドバイスを元に再チャレンジすることに。
1回目に横着してネック基板をはずさないまま無理やりコンデンサー交換したのがまずかったのか?と思い、そこをやり直すことにしてみました。
見た感じはずすのが大変そうかと思いましたがそこまで大変ではなかったので、最初からこうすればよかったですね。
コネクタが3カ所と、表面に黒いアース線1本、裏面から黒と赤のはんだ付けされ線が1本ずつの場所を忘れずに覚えておきます。
トラブルの原因を発見?
基本に立ち返って交換したコンデンサーを1つずつよく見ていくと、茶色い面(表面)と緑色の面(裏面)で、なんと+と-が反対に書かれているコンデンサー(C856)を発見!
表面の左側がプラス
裏面も左側がプラス
カバーの足が刺さっている穴がグランドなのでそこにつながってるのが-と推測して、修正。
動作テスト(2回目)
一通り元通りに戻して、ドキドキスイッチオン・・・。
とりあえず緑一緒にはならずにビデオって出ました。色はちゃんと出てるってことかもしれません。恐る恐るコンピュータに切り替えると……
映りました!!!コンデンサーの向きだけが原因かやや自身がありませんが、とにかく直りました。
音もモニターから鳴ってるー(D-SUB15ピンのRGBケーブルって音声も伝達してたの知らなかった)
24KHz表示のPC8801用ゲーム「ミスティー・ブルー」もバッチリ映ります。サウンドボードII(OPNA)の音楽が最高。
ついでにソーサリアンもテストしてみました。いつ聞いても最高です。
3モード対応なのでX68000を完全にカバーしつつ、PC8801(PC9801)もカバーできる最強モニターでした。
専用リモコンのメンテナンス
このモニターのシリーズには専用のリモコンがありまして、大変ありがたいことに譲っていただきました。
かなり懐かしいです。当時もってました。単4電池2本で使えるスグレモノです。地上波はもう映りませんが……。
背面のネジ1本はずすとばらせる簡単構造。コンデンサーは、10V 47μF 105度品1つだけなので、さくっと手持ちの16V品に交換しました。
ついでにボタンの接地面を無水エタノールで簡単にお掃除。
もはや地上波は映りませんが……、電源のON/OFFとボリュームの上げ下げに役立ってくれそうです。
まとめ
修理の参考にしたサイト
モニター修理は非常に危険です^^;: はにはにのヴィンテージPC新品再生ブログ