PC8801

【NEC PC-8801FH】唯一無二のブラックカラーをメンテンナンス&同人サウンドボードII追加

この記事のポイント

  • 1機種だけ色の異なる88(ハチハチ)が販売された
  • PC-8801FHのメンテンス方法について
  • PC-8801FHのサウンドボードII拡張方法は?
  • 他にもNEC製の黒いデスクトップパソコンはあった?

今回扱うのはレトロPC界隈では人気のNECのPC-88(ぴーしーはちはち)です。

PC-8800シリーズ - Wikipedia

そもそも私が初めてPC88に興味をもったのがPC-8801mkIISR上で動くザナドゥとハイドライドIIでした。

それからというもの、「寝ても覚めても、88が欲しくてほしくて仕方なくて」、毎月ベーマガを穴が開くほど眺めては近所の電気屋さんに足しげく通いました。

88のパンフレットカタログ(PC-8801mkIISRとFR/MR)を集めては親におねだりする毎日(最近、当時のこと確認したところ、親は買い与えたことを全く覚えていないそうな...)

そんなある日、突然家にPC8801FHがやってきました。

てっきりPC-8801mkIIFRが届いたのかと思っていたら、見たことのない機種…でもずっと欲しかった念願のPC88が届きました。

えくしび
えくしび

この日はめちゃくちゃ嬉しかった

大ブレイクしたPC-8801mkIISRの流れを汲み登場した「PC-8801FH/MH」、CPU速度は倍の8MHzに - AKIBA PC Hotline!

FHはFRの後継機種で動作クロックが4MHzから8MHzに高速化できるものでした。

確か中学2年生くらいのときに届いたので、PC-8801FHの発売(1986年11月)の何か月か後に買ってくれたようでした。

購入時に付属していた「うっでいぽこ」では飽き足らず、ベーマガのYK-2さんのMMLを打ち込み、ゲームはやりたかったハイドライドIIはもちろん、ヴァリス、ハイドライド3、Ys、ソーサリアン、英雄伝説、北斗の拳など、、、色々楽しみました。

その後……、ほどなくしてX68000が登場して私の気持ちはそちらへ移り、だんだん88を起動することは少なくなっていきました。。。

そんな令和のある日、昔見た、黒いPC8801FHの広告を思い出しました。

斉藤由貴さん、懐かしいですね。ところで、

「88といえばベージュっぽいというかアイボリーっぽいっていうか、その色こそがアイデンティティ!」

そう思っていた私は、「機能的に普通のFHとなんの違いもない黒カラータイプ」には全く興味が沸きませんでした。

しかし、88活動を再開してPC-8801mkIISRやPC-8801FAを入手していく中で、やはりFHという機種への想いが蘇り今度は黒FHを手にしたくなり、気づいたら入手していました。

相場からすると普通のベージュ色のFHの3倍以上の値が張りましたが状態もよく良い買い物でした。

えくしび
えくしび

黒いPCはホビーパソコンぽく見える

レトロPCなので普段使いできるようにメンテナンスします。

いきなり電源を入れると故障がひどくなるかもしれないので、最低限、電源のメンテと内蔵電池の取り外しはやりたいです。

今回もいつもお世話になっている、岩崎先生の修理マニュアルを参考にメンテナンスしていきます。

PC-8801FH/MH修理マニュアル レトロマシン修理マニュアル⑥ - Hirofumi Iwasaki@武者返し.com BOOTH出張所 - BOOTH

本体の分解

カバーの左右のネジ(4本)と背面のネジ(1本)をはずすとまずはカバーがはずれます。

次に背面カバーのネジをはずして取り除くと電源ユニットと拡張スロットがはずせます。

  • 拡張スロットユニット
  • FDDユニットx2
  • 電源ユニット
  • メインボード(カバー付き)

という感じにバラバラになりますので、それぞれを固定しているネジ覚えておきます

電源ユニットのコンデンサー交換(14個)

一番大きい、560V,180μF(KME)の代替品を探すのが一番厄介で、結局モノタロウで購入しました。

到着に1週間くらいかかりました。2つでよいところ2個入りに気づかず4つ注文してしまいました

 耐圧容量備考
C605180V560μF200V品で代用
C609,C65925V47μFKMG
C61263V22μF100V品で代用
C61325V470μF 
C651,C65216V4700μFZLHで代用
C65310V1000μFWXA(ルビコン)で代用
C654,C65525V2200μFLXJで代用
C656,C65825V220μFKMG
C66050V10μF 
C66150V0.47μFKME

コンデンサー交換前にはフラックスクリーナーできれいにしました。ハンダ割れしているかもしれないので全体的に再ハンダしました。

標準のファンが爆音なのでできれば静穏ファンに交換したいです。

拡張スロットのコンデンサー交換(1個)

コンデンサー1つだけなので難しくはありません。標準サイズをそのままとりつけてOKです。

 耐圧容量備考
C650V22μFKMG

メインボードの電池除去とコンデンサー交換(12個)

PC88の電池はトラブルの元ですので、交換はせずに基本取り外すのが良いでしょう。

上の写真の右下の電池です。電池から液漏れすると基板を腐食して断線するので要注意です。

 耐圧容量備考
C6,C2716V220μF 
C2616V470μF 
C41,C44,C4650V4.7μF 
C4516V47μF 
C4750V1μF 
C7,C9,C37,C3825V22μF50V品で代用(FH後期型のみ必要?)

ざくざくとりはずして交換します。

キーボードのコンデンサー交換(2個)

キーボードの中にもコンデンサーが使われているので交換します。

黒くて格好良いですね。コンデンサーが2つ使われています。

どちらもバイポーラー(両極性)のコンデンサーです。

小型のコンデンサーが入手できない場合は、通常サイズのを寝かせて取り付けてもOKでしょう。

 耐圧容量備考
不明10V47μFBP
不明16V10μFBP

修理したときにショートさせていていキーボードが効かないことがあったので、ハンダ付けには注意しましょう。

また汚れがついていたキーは分解せずにエタノールを付けた綿棒でふき取りましたが、汚れがひどい場合にはキーキャップをはずして洗浄します。

FDDのコンデンサー交換とグリスアップ

問題なく動作していたのとかなり特殊なコンデンサーが多いため、今回は交換は見送りました。特に、0.22μFと、6.8μFのBPの入手が厄介です。

 耐圧容量備考
C225V33μF低背
C410V100μF低背
C1950V0.22μF入手難
C28,C2950V6.8μF低背、BP
C610V2.2μF小型

これまで愛用していた田宮のグリスを使い切ったので、今回からはこちらのシマノのグリスにしてみました。

えくしび
えくしび

大容量で一生分ありそうです

先に古いグリスをエタノールをつけた綿棒でふき取ってから、可動部分にグリスを注油します。

FDDのケーブルを挿すコネクタ部分もエタノール+綿棒でキレイにしてから接点洗浄剤を塗布してをクリーニングしておきます。

PC-8801FHの後継機種のPC-8801FAにはサウンドボードII相当の音源が載っていのですが、FHには載っていません。

FM音源チップ仕様
PC8801FHOPN(YAMAHA YM2203)FM音源3和音+SSG音源3和音
PC8801FAOPNA(YAMAHA YM2608)FM音源6和音+リズム6音のステレオ+SSG音3和音+ADPCM音源1音
FH⇒FAで大幅に性能アップ

純正のサウンドボードII(PC8801-24)は出回っている数も少なくお値段も3~4万円以上に高騰しがちなのですが、今回は運良く同様の機能を持つ同人ハードを入手できました。

【完成品】サウンドボード2互換ボード For PC-8801FH/MH こちらのBEEPさんでも取り扱いがありました。

ハンダ付けは若干大変ですが、レトロPC修理に比べればそこまで難しくありません。

地道に部品を取り付けていきます。

この極小のパーツの取り付けが最難関箇所でしょう。

えくしび
えくしび

鼻息をかけると飛んでいきます

スペーサーが手持ちの中古金属スペーサーなところを除けばうまくできたようです。

メインボード上のスイッチを「INT」から「EXT」に切り替えると無事にサウンドボードIIから再生されました。

てっきりLINEOUTからの出力だけかと思ったのですが、なんと内蔵スピーカーからも再生されるようになります。

音質を気にしなければアンプやスピーカーを別途用意しなくていいので最高です。

まずは長年探していてついに手に入れたゲームアーツのシルフィードから。

こちらもゲームアーツで山梨のハードオフ遠征でたまたまに手に入れたヴェイグス。

さらに・・・サウンドボードIIといえば、真打ち、enixのミスティブルー!古代祐三サウンド!

最初、内蔵音源のみで聞いたらなんだかスカスカしていて、サウンドボードIIの威力を見せつけられました

えくしび
えくしび

PC8801FH以外にも黒いPCはあったのかな?

はい。こちらの98マルチのキャンビーこと、PC9821Cr13がブラックモデルで発売されたようです。

キャリングハンドルがついていて持ち運びもできたようです。

かなりかさばる筐体のようで使うのは大変そうですが、やはり黒い筐体は格好いいですね。

他にはHANDY98や98LTなどもありますが、デスクトップタイプで黒いパソコンは珍しかったようです。

背面の同人サウンドボードIIエリアとFDS+の刺さっている拡張スロットのフタがなく中が丸見えなのが気になってることをXにポストしたら…。

なんと、3Dプリンタで作成したフタをフォロワーさんからいただきました!

いつか純正の追加メモリ(PC-8801-02)と、本体とおそろいのディスプレイ(KD862(B))もあるとなお良しですね!

まとめ

  • 限定色のレトロPCは所有欲がかなり満たされる
  • オークションで粘っていれば黒FHは比較的見かける
  • 専用の黒いキーボードはかなりレア
  • PC8801を楽しむならサウンドボードIIは同人でも良いので欲しい
  • レアなパーツは高騰してどんどん入手が難しくなってきている

オススメ記事

1

この記事のポイント 現在新品で入手できる液晶モニターはX68000の実機では映らない そう思っていたらまさかのAmazonから映るモニターが爆誕 水平同期周波数が15KHz、24KHz、31KHzに対 ...

2

この記事のポイント 2024年7月発売のAmazonベーシックモニターとは? レトロPCを接続してどこまで映るのか? 総合的にこの液晶モニターは買いなのか? 2024/7/2、アマゾンブランドからスタ ...

3

この記事の内容 X68000を持っていない方向けの記事 X68000のゲームを遊ぶ方法を4つご紹介 コストや遊びたいゲームによってどれを選ぶのが良いか分かる 『パソコン』に限らず『ファミコン』や『専門 ...

4

この記事のポイント 100円ショップダイソーのスピーカーは充分使える レトロPC用に改造するなら専用工具があるとベター 通販だと送料が770円もかかるのでオススメではない 時間のあるときはダイソーのデ ...

-PC8801
-, , ,