中学生時代に恋焦がれたPC8801FHが届いたあの日の感動よもう一度

2024/02/06

わたしとPC8801FHとの出会い

いきなりですが、今回はみんな大好き(異論は認める)、NECのハチハチです。

PC-8800シリーズ – Wikipedia

これまでこのブログでは、PC8801mkIISRにはじまり、PC8801FAPC8801FEと入手してきており、「正直、88は、もういいかな~VAとか業が深いし、MCもCDゲーム少ないしなあ」と思っていました。

ところで…そもそも私が初めてPC88に興味をもった当時にさかのぼってみます。

大ブレイクしたPC-8801mkIISRの流れを汲み登場した「PC-8801FH/MH」、CPU速度は倍の8MHzに - AKIBA PC Hotline!

1986年11月にPC8801FHが登場とあるので、当時中学1年生。

寝ても覚めても、88が欲しくてほしくて仕方なくてベーマガを穴が開くほど眺めて、電気屋さんに足しげく通い、カタログを集め、毎日のように親におねだりしていました(親は買ったことを全く覚えていないそうな…)

ちなみに当時はハイドライドIIとザナドゥが全盛期でした。PCマガジンでずっとランキング1位と2位だったという。

そんなある日、突然家にFHがやってきました。確かFR/MRが欲しくて家の中にカタログをこれみよがしに置いたりしていたのでてっきりFRが届くかと思っていたら、いつの間にか新機種が出てたのもよくわかっておらず、でもずっと欲しかった88が届きました。

実際に家に届いたのが確か中2くらいだった気がするので、FHの発売の何か月か後に買ってくれたらしい。

その時の感激の気持ちはとてもとても言い表せませんね。

その後、購入時に付属していた「うっでいぽこ」では飽き足らず、ベーマガのYK-2さんのMMLを打ち込み、ゲームはI、ハイドライド3、Ys、ソーサリアン、英雄伝説、ガンダーラ、北斗の拳など、、、色々遊べて楽しかったのですが、その後、ほどなくしてX68000が登場し、起動することは少なくなっていきました。。。

社会人になってからもしばらく実家にありましたが、2005年ごろにPC/ATに改造してしまってその後どこかへ行ってしまいました(廃棄したのかも…)

そして時は36年流れ、令和5年に

そんな当時のある日に、たぶんベーマガの広告で黒いFHが発売されたのは記憶の奥底に残っていました。

「まじかー、PC88っていうたらベージュっぽいというかアイボリーっぽいっていうか、その色がアイデンティティでしょ!」

というわけで、スペック的にはなんの違いもない黒タイプには、その時は全く興味は沸かずに全力でスルーしてました。

しかし、今になって88活動を復活させていくなかで、やはりFHという機種に思い入れがあり、どうせなら黒FHを一度手にしたく、、、、これまたそんなある日。

どしゃーーーーん!

いつものヤフオクで落札してしまいました・・・・しかもキーボード付きで中々の美品・・・

以前に5万円台で競り負けてたことが多かったので、相場からするとそこそこリーズナブルにゲットできたのかなと!

普通の色のFHなら1/3以下の値段なんですけども(苦笑)

到着!というか、再会!?

これまではX68kやFMTOWNSやらが着弾していたので、それと比べるとキーボード付きでもPC88はコンパクトに感じます(麻痺)

この独特のキーボードの色!たまりません。わからない人にはまったくわからないと思いますが。

いきなり電源を入れても動くのかもしれませんが、最低限、電源はメンテして、電池は取り外したいところ。

今回もこちらのマニュアルをベースにメンテナンスを行っていきます!

PC-8801FH/MH修理マニュアル レトロマシン修理マニュアル⑥ – Hirofumi Iwasaki@武者返し.com BOOTH出張所 – BOOTH

メンテナンス

本体の分解

カバーの左右のネジ(4本)と背面のネジ(1本)をはずすとまずはカバーがはずれます。ちなみに左右のネジも黒いです!

次に背面カバーのネジをはずして取り除きます。これを外さないと電源と拡張スロットがはずれません。

  • 拡張スロット
  • FDDx2
  • 電源
  • メインボード(カバー付き)

という感じにバラバラになるので、止めているネジがわからなくならないようにします。

コンデンサー交換

電源ユニットのコンデンサー交換(14個)

一番大きい、560V,180μF(KME)の代替品を探すのが一番厄介でした。結局モノタロウで購入。

到着に1週間くらいかかりました。そして2つでいいのに4つ注文してしまいました(笑)

耐圧 容量 備考
C605 180V 560μF 200V品で代用
C609,C659 25V 47μF KMG
C612 63V 22μF 100V品で代用
C613 25V 470μF
C651,C652 16V 4700μF ZLHで代用
C653 10V 1000μF WXA(ルビコン)で代用
C654,C655 25V 2200μF LXJで代用
C656,C658 25V 220μF KMG
C660 50V 10μF
C661 50V 0.47μF KME

交換前にはフラックスクリーナーできれいにしました。ハンダ割れが怖いので念のため、全体的に再ハンダしました。

無事に完成

ファンがやはり爆音なので、性能が変わらなければいつか静穏ファンに交換したいですね。

拡張スロットのコンデンサー交換(1個)

コンデンサー1つだけなので難しくはありません。標準サイズで寝かさないでとりつけてOKです。

耐圧 容量 備考
C6 50V 22μF KMG

メインボードの電池除去とコンデンサー交換(12個)

PC88の電池といえばやはり諸悪の根源のため、基本取り外すのが良いでしょう。

上の写真の右下の電池です。ここからの液漏れが酷いと基板を腐食していて断線したりするので要注意です。

耐圧 容量 備考
C6,C27 16V 220μF
C26 16V 470μF
C41,C44,C46 50V 4.7μF
C45 16V 47μF
C47 50V 1μF
C7,C9,C37,C38 25V 22μF 50V品で代用(FH後期型のみ必要?)

ざくざくとりはずして交換します。

キーボードのコンデンサー交換(2個)

どちらもバイポーラー。小型のがなかったので通常サイズのを寝かせて取り付けてもOK

耐圧 容量 備考
不明 10V 47μF BP
不明 16V 10μF BP

左の少し大きい方が47μF。

以前修理したときにショートさせていてい「キーボードが効かない!」と恥ずかしいことがあったので、はんだ付けには要注意。

また汚れがついていたキーは分解せずにエタノールを付けた綿棒でふき取りました(以前に買ったキーキャップ取り外し器を見つけられなかっただけ)

FDDのコンデンサー交換

かなり特殊なコンデンサーが多いため、今回は交換は見送りました。特に、0.22μFと、6.8μFのBPが厄介です。

耐圧 容量 備考
C2 25V 33μF 低背
C4 10V 100μF 低背
C19 50V 0.22μF 入手難
C28,C29 50V 6.8μF 低背、BP
C6 10V 2.2μF 小型

FDDのグリスアップ

これまで愛用していた田宮のグリスを使い切ったので今回からはこちらの商品を投入!

シマノ (SHIMANO) ルブリカント プレミアムグリス 100g 自転車専用 チューブ Y04110200

古いグリスをエタノール+綿棒でふき取り、可動部分に注油!!

分解ついでに、念のため、ケーブルを挿す部分を接点洗浄剤を塗布して油分をクリーニング。

【同人ハード】サウンドボードII互換キット

先日紹介したPC8801FAは、サウンドボードII相当の音源が載っていたのですが、FHには載っていません。

純正品は数も少なく高騰しがちなのですが、なんと今は近いものが同人ハードで入手できるのです。いい時代です・・・。

【完成品】サウンドボード2互換ボード For PC-8801FH/MH こちらのBEEPさんでも取り扱いがありました。

今回はtwitterで募集をかけて、知人のストックから1つ分けていただきました。

じゃーん。はんだ付けは若干大変ですが、レトロPC修理に比べればそこまで難しくありません(たぶん)

地道に作ります。以前作ったFE用よりは部品点数も多く大変でした。

特に、この極小のパーツの取り付けが最難関箇所でしょう。鼻息をかけると飛んでいきます。

めでたく完成。スペーサーが見つからず手持ちの金属スペーサー(中古)をかませましたが、問題ないようでした。

音源の動作テスト

くみ上げ挙げる前に果たしてはんだ付けがうまくいっているか不安なのでテストしておきます。

スペースぎちぎちですね。

メインボード上のスイッチを「INT」から「EXT」に切り替えると無事に再生されました。

また、てっきりLINEOUTからの出力だけかと思ったのですが内蔵するとなんと内蔵スピーカーからも再生されるようになります。

音質を気にしなければアンプやスピーカーを別途用意しなくていいので、最高じゃないか・・・。

全体の動作テスト

待ちに待った動作テストです。モニターをつないで、電源コードを挿して、フロントのスイッチON!!!

先日、ヤフオクでついに手に入れたシルフィード、OK!!!

宇宙の帝王ザカリテ!!!

そして、山梨のハードオフ遠征で手に入れたヴェイグス、OK!!!

さらに・・・サウンドボードII真打ち、ミスティブルーもOK!!!

最初、内蔵音源で聞いたら、えらくスカスカ・・・サウンドボードIIの威力を見せつけられました….!

実機、マジで最高!!たまりませんね!

これからの88ライフ

背面のサウンドボードIIエリアと拡張スロットエリアがフタがなく中が丸見えなので、3Dプリンタで蓋をできないか検討中。

あとは、液晶モニタではなく、やはりブラウン管(CRT)で映してあげたいので、開腹しっぱなしのままのCZ-612Dを復活させたい(してほしい(祈))

せっかくFDX68+FDS+もあるので、遊ぶゲームはイメージにして、そこから起動して遊びたいな、と。

最後にPCM機能もテストしたいので、大御所「ヴァリスII」が欲しいけど、また、どえらいことになってるぽいのよね。。。とほほ。

内蔵メモリを128KB追加もやってみたいものの、CMTインターフェースがOFFになるらしいので、それならデータレコーダーに手を出して禁断のテープゲームという道も(茨すぎる)