前回は、X68000初代、本体の入手と修理の準備編でした。
今回はいよいよ、修理に着手していきます。
いきなりハードルの高い分解
まずは基板を修理するためには、大基本のX68kケース本体の分解です。
サイドカバーのツメ
背面のネジをはずして、カバーをずらしていきます。
マンハッタンシェイプ型のX68000の分解はみんな同じ構造かと思っていたのですが・・・、この初代だけはサイドのカバーに「余計なツメ」がついています。
(一番上にある、小さい爪)
ツメまじか!それでなくても外れにくいのに!!
とことん、泣かせてくれます。慎重に粘り強く外します。
左右のカバーを外すと、中が汚れていたのでサッとウェットティッシュでお掃除します。
もっとヤニ汚れがひどい場合は、エタノール洗浄などを行います。
左タワーの電源ユニット
サイドカバーがはずれましたら、各ユニットを外していきます。
電源ユニットの取り外し
まずは左タワーの電源ユニットから着手します。
初代X68000の電源ユニットは、X68000シリーズ中、完全独自仕様という恐ろしい一品です。
これまでの電源修理のノウハウが全く通用しません。なんということでしょう。
とりあえず、目についたネジをはずしていきます。
電源ユニットがはずれない
目に見えるネジをすべて外しましたが、コレまでのSH-4のように電源ユニットが取れません。
おかしいな、と思ったら、なんと、反対側の右タワーからネジで止まっています・・・。ありえない。
なんというめんどくさい構造でしょう。
よって、左タワーよりも先に右タワーをあけてメイン基板(マザーボード)を撤去し、その下のネジをはずす必要があります。
一旦、メイン基板ははずして、保管しておきます。
電源スイッチの撤去
以降のX68kのモデルと異なり、電源スイッチが電源ユニットから独立してます。
ネジで固定されているだけなので、撤去しますが、プラスチックの保護カバーが割れやすく要注意です(私は割ってしまいました・・・)
電源ユニット取り外し完了
スチールのフタが4本のネジで止まっています(うち、1つだけ皿ネジです)
電源ユニットの基板が外しにくい
このままではパーツ交換できないので、ケースの底から基板を外していきます。
これまた簡単に外れません・・・。
IC等の部品がケースの側面に抑え金具でネジ止めされているようです。
さらにそれらの金具もネジ止め剤でネジが外れにくいところがあり、これまた厄介です。
横着して全部外さないで済まそうとしましたがうまくいかず、結局、全部はずしました。
さらに、ケースから電源コードみたいなのが伸びてるのですが、↑写真の左上の穴を通す部分のコードが引っかかってケースからはずれません。
この「黒」「灰」「赤」のコードを一度半田を溶かして、外すことにしました。
やっと外れました。ここからパーツを交換していきます。裏面の様子はこんな感じです。
パーツ類の取り外し
コンデンサーや、ダイオード、抵抗、ICなどを外していきます。
そこまで難しいところはありませんでしたが、狭いところに複数のパーツが集合していて外しづらいところがありました。
パーツ類の取り付け
抵抗の下をくぐるように抵抗が複雑に配置されていて、どこのシルク印刷がどのパーツを指しているのか分かりづらいところがあるので、焦らずに進めます。
どれを外して、どれをつけたけ、1つずつチェックしながら進めます。
側面のパーツには交換前の写真を参考に、適宜、絶縁シートを被せます。
交換部品取り付け完了
分解したのと逆の手順で、
・電源コード(黒・灰・赤)のはんだ付け
・基板をセット
・側面と固定する金具のネジ止め
・4隅のネジ止め
・蓋を締めて、さらに4箇所のネジ止め
※ちなみにフタは上下反対でも閉まるのですが、本体に取り付けるときに逆だとネジ穴が合わないので、そこで逆なことに気づきました。
元通りになったら、こたつスイッチをかまして、電源をON。端子の電圧をチェックしてみましょう。
また、FANにつないでFANが回りっぱなしの場合は、小さめの「黒」「黄」「灰」「青」の、黒と黄をショートさせてFANが止まれば正常です。
次はメインボードのメンテナンスです。
おまけ(サイバースティック調達状況)
せっかくなので電波新聞社版を、と思って狙っていたら、いつの間にか終わっていた苦笑
また、そのうち出てくるのを待つとします。